ユニスポンサーの獲得争いではブンデスリーガが実質トップ
これまで「世界で最も金銭的価値の高いリーグはイングランドのプレミアリーグ」とする考えが多数派であっただろうが、その見方が近い将来大きく崩れることになるかもしれない。それはアメリカの『SportBusiness』が興味深いレポートを発表したからだ。
このほど、同メディアがまとめた「2011-12シーズンの各クラブのスポンサー料で見るプレミアリーグとブンデスリーガの比較」では、プレミアリーグが総額1億2800万ユーロに対して、ブンデスリーガは1億2100万ユーロという結果となったが、そのデータは「実際にスポンサーが認識している市場価値はブンデスリーガのほうが上」という認識に至るまでには十分なものであった。何故なら、クラブの平均値で見てみると、プレミアリーグは1クラブあたりのスポンサー料は640万ユーロに対して、ブンデスリーガは672万ユーロという数字を残したからだ。
つまり、リーグ総額ではクラブ数の差(プレミアリーグは20クラブでブンデスリーガは18クラブ)の恩恵によりプレミアリーグがブンデスリーガをリードしたが、細かくみてみると、ブンデスリーガが実質リードしているのである。
「このレポートをより詳しくみていけば、イングランドに比べてドイツは両極化が進んでないことがわかるだろう。ドイツで最も高額だったスポンサー料はバイエルンがDeutsche Telekomと結んだ2650万ユーロで、逆に最も安かったものは自動車の部品を製造するAL-KOとアクスブルクが結んだ100万ユーロ。これだけ見れば、その大きな差を感じるかもしれないが、ドイツには300万ユーロ以下の契約を結んでいるクラブは数クラブしかなく、12クラブが400万ユーロの契約を結んでいることを忘れてはいけない」
「対してイングランドは、最も高額なものはマンチェスターの2クラブが各々締結した2200万ユーロであり、最も低額であったのはブラックバーンの0ユーロ(チャリティー・パートナーとの契約)。また、ノリッジも30万ユーロ(Avivaとの契約)と少額であった。さらに言えば、400万ユーロ以上のスポンサー料を獲得したクラブは9クラブで、11クラブは300万ユーロ以下の契約しか結べなかったようだ」
上記の記述は、同レポートを編集したサイモン・ラインズの補足であるが、彼の解説を踏まえると、プレミアリーグとブンデスリーガの特徴がより明確化されるだろう。
数年前まで、ブンデスリーガは、プレミアリーグ、セリエA、リーガエスパニョーラの後塵を拝する、4番手が定位置であったが、今やUEFAランキングでもセリエAを抜き去りトップ3に。さらに、今季のCLではバイエルンがファイナルに進出し、EURO2012でもドイツが優勝候補に推される活躍を見せるなど、その市場価値は増すばかりだ。
今回のレポートはあくまでもユニフォームスポンサーを用いた分析であり、オフィシャルパートナー、ユニフォームサプライヤー、TVの放映権料、試合毎の収益なども考慮すると、また違った結果になるかもしれないが、近い将来、名実共にブンデスリーガが欧州のトップリーグに立つ日が訪れたとしてもおかしくはないだろう。