スタッド・ドゥ・フランスで行われたレアル・マドリー対リヴァプールのUEFAチャンピオンズリーグ決勝。

スタジアム入場をめぐるトラブルでキックオフが30分以上も遅れることになった。

リヴァプール市長スティーヴ・ロザラムも現場にいたひとり。60歳の同氏は1989年に起きた「ヒルズボロの悲劇」もスタジアムで実際に経験している。

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『Guardian』によれば、市長はUEFAからチケットを貰っていたものの、フェンスを乗り越えてスタジアムに入らなければいけなかったという。

スティーヴ・ロザラム(リヴァプール市長)

「携帯電話、金、デビットカード、ID、試合チケットを盗まれた。

我々は道を誘導され、400ヤードほど進んだところ、2台の機動隊車両が道をふさいでいた。

機動隊からフェンスを乗り越えろと言われた。

私は両手でジャケットを持っていたが、フェンスを乗り越えるために片手を離さなければいけなかった。

コートを羽織った時、“スリ”が私のポケットを探った。文字通り一瞬で、プロのギャングだった。

やつらは大儲けできることを分かっていて、多くの人が携帯や財布をとられた。

警察に全部盗まれたと言ったら、ひとりの警官から『パリにようこそ』と言われたよ。

リヴァプールファンたちが『彼は俺たちの市長だ』と警官たちに叫んでくれた。

フランス人の若者2人が警官への通訳を手伝ってくれたが、私のことをググって見せるまでは警官は当惑していたよ。そして、すぐにチケットを再発行してくれた」

スタジアムに入ることができた市長は、VIPエリアにいたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長とニコラ・サルコジ前フランス大統領に「ファンが催涙弾を浴びているスタジアム外のカオスをどうにかしてほしいと要請。

インファンティーノは話を聞いてくれたものの、「FIFAの管轄外」と回答。サルコジはどこかに行ってしまったとか。

そこで、市長はUEFAのアレクサンダー・チェフェリン会長に協力を求めたものの、素っ気ない対応をされたという。

スティーヴ・ロザラム(リヴァプール市長)

「丁寧に自己紹介したうえで、自分が目撃したことと懸念を説明した。

彼は無関心のようだった。

『この試合を準備するのにたったの3か月しかなかった。試合実現のために死に物狂いでやってきた』と言われたので、『外で人が殺されないかのほうが心配だ』と言い返した。

すると、彼は私に無礼だと指摘してきた。

最後まで座って試合を観ることはできなかった。外で起きていたことにひどいショックを受けた」

当初、この試合はロシアで行われる予定だったが、ウクライナ侵攻を受けて、2月に開催地を変更していた。

市長は「将来、死傷者が出た場合、スポーツイベントでの安全を確保するために団結すべきだったと振り返ることになりえる。独立した調査で彼らがリヴァプールファンをスケープゴートしたり、責任を放棄することができなくなることを願う」と詳しい調査を訴えている。

なお、試合後にもスタジアムから帰るサポーターを狙ったギャングが待ち構えていたとされている。

また、元フランス代表FWティエリ・アンリが試合前から「サンドニはパリではない。俺を信じてくれ」と警告していたことも話題になっている。