国際サッカー連盟(FIFA)は11日、臨時総会を開催し、2034年のワールドカップをサウジアラビアで開催することを正式に決定した。
出場国が32カ国から48カ国に拡大された2026年大会以降では初の単独開催となる。
『Saudi Gazette』によれば、ワールドカップ開催決定の報を受け、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子兼首相は、自身が理事会議長を務める「2034年ワールドカップ開催最高委員会」の設立を発表した。
その理由について同メディアは以下のように説明している。
「この委員会の設立は、サウジアラビアが歴史上初めて、48チームが参加するこの世界的なイベントを単独で開催する決意を再確認するものです。また、サウジアラビアのスポーツ分野に対するサルマン国王と皇太子からの前例のない支援を象徴しています。
ワールドカップ開催は、サウジアラビアのスポーツ変革を促進し、『ビジョン2030』の一環として生活の質を向上させる重要な戦略的ステップとなります。このビジョンは、国民や在住者がスポーツに参加する機会を増やし、アスリートの能力を磨き、スポーツ全般の競技力を向上させることを目指しています。また、サウジアラビアが国際的なスポーツイベントの開催地として競争力のあるグローバルな目的地となることを目指しています。
2034年ワールドカップの開催を通じて、サウジアラビアは経済、投資、スポーツ、観光、文化、娯楽の面で注目を集めることが期待されています。何百万もの訪問者が同国の豊かな文化的遺産や歴史的な遺産に触れ、巨大な文化資源を体験する機会となるでしょう」
近年スポーツ界で大きな影響力を放っているサウジアラビア。ワールドカップ単独開催はそのシンボルとも言え、国として発展や成長のエネルギーとすることを目的としているようだ。
なお、『ビジョン2030』はサウジアラビアが2016年4月に公表した、石油依存体質から脱却し、包括的発展を実現するための成長戦略。ムハンマド副皇太子(当時)が中心となり策定された。