2011年6月8日(水) - スタッド・マヨル(トゥーロン)
France
1
0-0
1-0
0
Italy
ジョセフ=モンロース
62'
得点者




ホスト国フランスがイタリアを1-0で破り、決勝戦進出を決めた。しかし試合の内容から言えば確実に「イタリアのゲーム」であった。

イタリアはボリーニとクレシェンツィ、ソリアーノの3人が出場停止。そこでフェラーラ監督はダレッサンドロをスタメンに起用した4-4-2を組み、試合に臨んだ。

やり方はコートジボワール戦と同じである。レベルでは差があるとはいえ、フィジカルとスピードに長けるという点ではフランスも同じ。コンタクトプレーと走り合いになっては敵わない。

よって、攻撃では中盤では確実に繋げるとき以外はボールを持たず、主に最終ラインからフォワードへのロングパスを多用し、相手を下げて速攻を封じる。さらに守備では、組織的にサイドに追い込むポジショニング、チェック&カバーの関係を保つことによって、ドリブラーの突破を警戒。イタリアらしい戦術的な試合を繰り広げた。

その結果、特に前半は全くピンチらしいピンチもない順風満帆な展開であった。フランスはフィジカルやドリブル突破は強烈だが、繊細なビルドアップは出来ず、サイドをフリーにさえしなければ精度の高いクロスもあまり入ってこない。しっかり守って、空いた裏のスペースに放り込めば、パロスキとガッビャディーニが飛び出してチャンスを作ってくれた。

62分、その守備に水漏れが起こってしまう。ジョセフ=モンロースの中央への突破を止められず、マークが集中。その隙にサイドを空けてしまい、ノッカールにフリーでクロスを許した。さらに動き直していたジョセフ=モンロースのマークを外し、ヘディングを決められてしまったのである。

さらにイタリアは得点力も著しく欠いていた。前半4分にはパロスキのシュートが右ポストに直撃、6分にもカルディローラのフィードで飛び出したガッビャディーニが決められず。失点後もその流れは続き、66分にはデストロが右サイドを突破して折り返し、パロスキが合わせたが右に外れ。76分、77分にもガッビャディーニ、パロスキが決定機を逸した。

ここまでフランスが「サッカーをさせて貰えなかった」試合は今大会初めて。それだけイタリアの守備は素晴らしかったし、カテナチオの文化を感じさせられた。しかし昨今言われているように、「今のイタリアは守りきれない」というのも体現してしまったということか。


(筆:Qoly編集部 K)


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