国交正常化がサッカー界へ与える影響は?

言うまでもなく野球ほど劇的な変化が起こることはまず有り得ない。しかし小さな変化が発生する可能性はあるだろう。

まず国外でプレーすることが許されず、一部の代表チームとしか親善試合で対戦できなかった選手たちが、海外で貴重な経験を積めるようになる。そんなタレントがいるのか?と思われるかもしれないが、これまで亡命した選手のなかにはマイケル・ガリンド、オスバルド・アロンソのようなMLSでトップレベルの活躍をする選手もいるのである。国籍法次第だが、そうした亡命選手の代表復帰もあり得るかも知れない。

また、キューバ革命以降、資産の没収を逃れるために国を脱出したキューバ人の大半が居住するフロリダ州マイアミ出身の選手が代表入りするケースも出てくるだろう。前フェイエノールトで今シーズン、オランダで得点を量産しているサムエル・アルメンテロスはU-21スウェーデン代表だが、父親がキューバ人のため今後A代表入りする可能性も出てくる。

大国アメリカに頑なに抵抗し続けてきた社会主義国キューバは、共産主義者でなくとも判官贔屓の日本人からある種の憧れとなってきた。もし今回の交渉が纏まると経済的に潤う一方で幻想を多分に含んだ“古き良きキューバ"は失われ、グローバリズムに呑み込まれてしまう危険も孕んでいるだけに一抹の寂しさを感じられている方も少なくないだろう。しかしサッカーに関して言えば疑う余地なく歓迎すべき部分が多いのである。

革命の国キューバ、サッカー界でも革命を起こすことが出来るであろうか。

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