取材感想・横浜ゴムの覚悟と夢

……大変長いレポートになってしまい、本当に申し訳ございません(苦笑)。ただ、それに見合った内容になったとは考えています。

1時間近くのインタビューの大半を、この記事で紹介させていただきました。「これはオフレコ」という部分はほとんど無く、田中氏と関口氏にはこちらの幅広い質問に対して率直にお答えいただきました。改めまして、心より御礼を申し上げます。

今回、契約金の話はうかがいませんでした。横浜ゴムとチェルシーFCとのスポンサー契約では、5年間という期間は出ていたものの、その額は公表されていなかったからです。ただ、イングランドでの報道ではかなりの推定額が出ていましたし、お二人のお話からも相当な金額であることは想像できました。

それでも横浜ゴムはチェルシーとの大型契約に踏み切りました。それは、少なくとも横浜ゴム側にはそれだけの状況と理由があったからです。欧州市場などのシェアを拡大し、世界中で続く厳しい競争の中で飛躍的発展をするためには、チェルシーの力が必要だと考えたのが、良く分かりました。それは日本だけではなく、世界での市場競争という原理の中で下された判断でした。

他のクラブの事例は分かりませんが、同じグループ内という例を別にして、なぜ企業はサッカークラブのメインスポンサーになるのか、しかもプレミアリーグの強豪クラブを相手に世界最高レベルの費用を使ってでも……という理由について、最高の事例研究となりました。チェルシーに限らず、世界有数の名門と呼ばれる各クラブの10倍以上も売上高がある大企業でも、そのクラブが世界中に持つファンの数や社会での認知度には大きな魅力を感じ、そこに巨額の広告資金を投入する事を決断できるわけです。

その支持や信頼を勝ち取り、「クラブを支えるサポーターの一員」として認めてもらうために横浜ゴムがこれからどんな事をしていくのか、とても楽しみになりましたし、私も応援していこうと考えています。

そして、横浜ゴムが具体的には言及しなかった今後の展開についても、一つの予想を立てました。

2015年7月からの5年間という長期契約の中で、焦点の一つは2017年に合っているのではないでしょうか。この年は横浜ゴムにとって創業100周年で、中期経営計画「GD100」の総仕上げでもあります。そして、ユーロとW杯の合間の年で、チェルシー側もベストメンバーでの長距離遠征が比較的立てやすい年でもあります。

なので、2年後の夏に「YOKOHAMA TYRES」のユニフォームを身にまとったチェルシーが日本のファンの前に姿を現すのではないかと、期待しています。

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