本田の居場所は?
こうしてブロッキが体験した当時のアンチェロッティ、プランデッリのシステムを振り返ると、本田に適したポジションがトップ下であることがわかるだろう。むしろそれしかない、と言うべきかもしれない。
要点を整理してみよう。
・ワイドに開いた前線のポジションはない
・中盤は運動量のある選手が大前提で、よりフィジカルに長けた選手が起用されている
・ゲームにアクセントをつけるのはボランチ、左サイド、ないしは2トップの一人ということが多い
師の教えに従うように、アクセントを作る選手としてはマリオ・バロテッリが、トップ下には得点力もあるボナヴェントゥーラがファーストチョイスと考えられている。
そう考れば、本田にとっては非常に厳しい。しかし、DFラインと比べれば“序列を覆す”ことは難しくないのだ。
アンチェロッティ、プランデッリの2監督は、比較的チームの人数を絞って戦うことが多かった。また、今とは時代が違うもののターンオーバーよりはメンバーを固定する傾向があった。
実際に、ブロッキ監督になってからのDFラインはアレックス、イニャーツィオ・アバーテ、ルーカ・アントネッリ、アレッシオ・ロマニョーリが3試合連続で先発している。
だが、前目のポジションに関しては選手を流動的に選ぶことが多い。実際にジェレミ・メネズ、バロテッリ、ボアテングら今季まだ結果を出せていない者にもチャンスを与えたのだ。
ヴェローナ戦でトップ下でプレーした本田には『Gazzetta dello Sport』から6点と標準点が与えられた。次節本田がベンチに座っていたとしても、残り少ない試合の中でチャンスは再び訪れるだろう。