2. いざ、10年ぶりのU-20W杯へ。“鬼門”の準々決勝

AFC U-19選手権が日本にとって重要な大会である理由はもう一つある。

翌年、韓国で開催されるU-20ワールドカップに向けた予選を兼ねているのだ。

かつて、「ワールドユース」という名で知られていた現U-20ワールドカップ。

小野伸二や高原直泰、稲本潤一など黄金世代が出場した1999年大会では準優勝という素晴らしい成績を収めたが、実は2009年から2015年にかけて4大会連続で不出場が続いている(本大会は2年に1度開催)。

最後に日本がU-20ワールドカップに出場したのは、カナダで行われた2007年大会。そこには槙野智章や柏木陽介、安田理大など「調子乗り世代」と言われた選手たちが出場していたわけだが、それからもう9年も遠ざかっているのだ。

日本においてU-19代表はカテゴリー的に五輪代表(U-23代表)の一つ下にあたる。そのためU-20ワールドカップは次の五輪に向けた貴重な実戦の機会であり、日本としても本戦への出場権を確保するのが至上命題となっている。

アジアに与えられた出場枠は「4」。しかし、開催国である韓国はすでに出場権を手にしている。

韓国がU-19選手権でベスト4に入った場合は準々決勝で敗れた4チームによるプレーオフが開催される。それでも、日本としてはベスト4進出を目指しているに違いない。

4大会連続でU-20ワールドカップへの出場権を逃している日本は、4大会連続でU-19選手権において準々決勝で敗退している。グループステージこそ突破するのだが、どういうわけかベスト8が鬼門となっているのだ。

なお、前回の2014年大会には南野拓実や井手口陽介、中谷進之介らが出場。

グループCを首位で通過し決勝トーナメントに進出したものの、準々決勝で北朝鮮にPK負け。

PK戦ではチームを牽引してきた南野拓実が失敗するというショッキングな負け方となり、世界への挑戦権を失った。

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