ポチェッティーノの融通性
長年、ヴェンゲルは自らが好む4-2-3-1システムに固執してきた。
それで成功を収めていたが、負傷者の続出と結果が伴わないことで自らの座が危うくなった今年になるまで、フォーメーションを変えようとしなかった。今季は実に1997年以来となる3バックを採用し、いくらかいい変化をもたらしたように見える。
ポチェッティーノにとって、物事を変えることは日常茶飯事だ。スパーズは4バックでも3バックでも問題なく、怪我人がいない場合にはどのようなスタメンになるのか予想できない。
戦術的な柔軟性は、時代の新たな波だ。その点、ポチェッティーノはチームが時代を先取りすることを確かなものにした。
1人の人間が全ての力を手にすべきではない
今日のアーセナルがこんなにも巨大なクラブになったのは、ヴェンゲル個人の功績が相当に大きいことは疑いようがない。それと同時に、近年のアーセナルの停滞もヴェンゲル個人の責任が大きいことは疑いようがない。
ヴェンゲルはアーセナルにおける最高権力を楽しんできた。移籍戦略の方向付け、日々のクラブ運営、最近ではスポーツディレクターに任せられるような種々のタスク…。
一方、スパーズではポチェッティーノにかなりの自由があるものの、彼は首脳陣に答えなければならない(立場にある)。
アーセナルにおける独裁は過去の遺物にしなければいけないのかもしれない。過去にもたらされた成功は関係ない。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ