鹿島移籍を決めた「3つの理由」
――エヴェラウド選手が10月のサンフレッチェ広島戦で決めたゴールを「Jリーグ月間ベストゴールパフォーマンス」として認定させていただきました。本日はいろいろお話を伺えればと思います。
まず、エヴェラウド選手は今年1月に鹿島アントラーズへ加入しました。どんなことを考えて移籍を決めたのでしょうか?
一つは、日本という国に私はとても興味を持っていました。昔一緒にプレーをしたチームメイトたちが日本でのプレー経験があり、日本のことをよく話していましたし、日本は教育・教養・安全性・敬意・尊重などが非常に素晴らしい国であると聞いて、私は強い興味を持っていました。
もう一つは、Jリーグで最多優勝をしているアントラーズというクラブに行けることは、優勝に近づくことができるという思いもありました。
3つ目として、忘れてはいけない、ジーコの存在ですね。オファーをいただいたところでジーコが推薦してくれたという話を聞いて、もう迷うことはありませんでした。
いちブラジル人としてジーコの存在は非常に大きく、私自身、今こうして彼と毎日話しているのが不思議なくらい偉大な人です。今ではフランクに友人同士と話しているような感覚になっていますが、このような3つの理由で決断に至りました。
――来日する前のJリーグの印象と、実際にプレーしての印象はどうですか?
移籍することを決めてから日本でプレーしたことのあるチームメイトらに話を聞いたところ、非常にダイナミックかつスピーディで戦術的にもしっかりしているサッカーだと言われてそういうイメージを持っていました。
ただ、実際にプレーして意外だったのは強度の部分で、スピードを含めイメージしていたものをはるかに上回っていました。また、技術の部分に関しても個人的にはブラジルより高いと感じています。
日本のテンポや速さに慣れるまではかなりの時間が必要でした。私自身良くしなければならないところはまだまだありますが、今はある程度慣れたと言えるのかなとも思います。
日本に比べるとブラジルはややテンポが遅いです。ボールを保持しながらもう少しゆっくり攻めますが、日本はよりダイナミックで“行ったり来たり”の展開が多く、コンディションを高く保たないと戦えません。
――シーズン序盤はチームやエヴェラウド選手自身も難しい時間を過ごしていたように見えました。当時はどのようなことを考えていましたか?
監督を含めメンバーが大きく入れ替わり、指導方法ややり方、サッカーのスタイルも変わったためやはり慣れる時間が必要でした。とはいえ、これだけのクラブなので、一生懸命練習して良い内容を示しながらも結果が伴わない当時の状況に、苛立ちや不甲斐なさなどマイナスの気持ちがあったことは事実です。
ただ今となって冷静に考えると、チーム作りをするにあたってこれだけ様々な要素が“壁”としてあったわけなので、それを現在乗り越えたと考えれば自然のプロセスだったのではないかと思っています。
今順位表を見ると「あの序盤戦がなければもっと上にいたかな」と感じることはありますが、準備期間として必要な時間でもありました。