――そういえば冨田大介さんが「クラブリレーションコーディネーター(CRC)」という聞き慣れない役職に就きましたが、下部組織との関わりは?

「クラブのフィロソフィ(哲学)や考え方をアカデミーにも伝えていただいたり、クラブとアカデミーの間に立っていろいろなことに前向きに取り組んでいます。

アカデミーは水戸事務所、トップはアツマーレ…この間は車で50分ほど掛かるので、コミュニケーションは簡単に取れなくなってしまったんですね、残念なことに。

そこで、冨田が練習現場に関わることによって、ユースの選手の成長や、アカデミースタッフの取り組みなどをしっかり見て、共有しているという形です。

『CRC』という名の通りアカデミーだけではないので、フロントとの間に入ったり、選手との間に入ったりですね。アカデミーのことを言えば、そのような形になります」

――アツマーレと水戸との間をつなぐ役割もあるんですね。

「そこまで離れてしまうと、水戸で一緒にいたときとは違った形になってしまうので…大きな役割になっていると思います」

――樹森さんから見て、水戸ホーリーホックの育成の特色は?

「普及のところで言えば、サッカーの楽しさを伝える、スポーツをサッカーを通して育てることが大きな形となっています。

この5年くらいですかね、競技的なサッカーに特化したスクールコーチも多く入ってきましたので、競技の能力向上という面も特徴です。

ジュニアからユースの年代に関して言いますと、うちのクラブは『人を育てる』ことが大きな言葉になっております。

サッカー選手としての成長はもちろんですし、目的はプロサッカー選手になることでありますが…それに加えて社会性ですね。人間的な成長というのを大きく謳っているのは大きいんじゃないかなと。そこを非常に大切にしています。

地域性の部分も大きく取り組みながら共有して、選手には伝えるようにしている…というのが大きな部分かなと思います」

――水戸ホーリーホックではどんな選手、どんな子供を求めていますか?

「内面的な部分でいえば、パーソナリティの高い選手を育てたい。ファン、サポーターに魅力的な選手だと思っていただきたいので、サッカーだけやっていればいいというわけではないですね。

なのでトップ同様、発信力や取り組む姿勢を持ち、前向きにやれる選手を育てていきたいと思っています。

また、そういう選手が上で活躍することによって、サッカー以外の役割も大きくなるんじゃないかなと思っています。

そしてサッカーの部分で言えば、特徴のある選手が上で活躍すると思います。水戸独自というよりは…クラブのフィロソフィやスタイルは構築しているんですが、自分の武器というのを成長させられるような取り組みをしています。『武器がある選手』を育てていきたいと思っています」

――水戸ホーリーホックに入りたいというお子さんや親御さんにメッセージを頂けますか?

「水戸ホーリーホックはサッカーを通じて人間的な成長を大きくできる場だと思っています。社会に出て輝ける人材を育てていきます。

もちろんその中でプロサッカー選手になるよう協力して頑張っていきたいと思いますので、ぜひ水戸ホーリーホックのアカデミーをよろしくお願いいたします」

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予算規模が小さく、さらに同県に大きなライバルがある後発クラブ…と、傍目からは厳しい環境にあるように見える水戸ホーリーホック。

その中で行われている様々な施策や人間性の育成にも焦点を合わせた取り組みなどを行い、クラブリレーションコーディネーターという新しい役割も生み出した。その結果は徐々に現れているといえるだろう。

水戸ホーリーホックでサッカーをやりたい、プロを目指してみたいという方は、ぜひクラブのホームページなどを引き続きチェックしてほしい。

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