即席チームでのパサーの難しさ

トライアウトは当日メンバーが発表されるため、連係プレーやパスを得意とする選手にとっては、逆境の中でプレーを強いられる。パスを武器とする新里もパスが合わないシーンなどがあった。

「難しいですね。その中できょうの1番のテーマで思ってたことは、とにかくコミュニケーションを取るっていうところでした。みんな苦しい状況で、同じ状況で集まった仲間です。すごくいいコミュニケーションを取れましたし、やっぱり共通の知り合いがいるじゃないですか。『あいつ知ってる』みたいな。そういうところですごくうまくコミュニケーションを取れてやれました。もちろん長い時間やれば自分の良さも出てくる中で、いまできる最大限のことはできたかなと思ってます」と難しい状況の中でもコミュニケーションを取って打開を図った。

その中でも横浜F・マリノスアカデミーの後輩でもある西山大雅(横浜FC満了)とは息の合ったコンビネーションを見せることもあった。「きょう同じチームでやった西山大雅選手はマリノスユースの後輩ですし、もともと面識はあった。そういう中で、コミュニケーションを取りながらやってきました。ボランチを組んだ奥村(晃司)選手に関しては、群馬の彼がお世話になってる先輩が平松宗選手で、自分が長崎にいたときにお世話になってた選手です。共通のお世話になってる先輩がいるので話しやすかったです。みんながどこの大学とか、経歴を辿りながら共通点を見つけて話すことがまたいい人間関係を作る勉強にもなったと思います」とこのトライアウトでの収穫を口にした。

トライアウトには数多くの関係者が駆け付けて、選手たちのプレーや振る舞いを事細かく視察していた。難しい中でも存在感を見せた新里はプロ、アマ問わずオファーを待っている。

「自分が大事にしていることは、自分がそこで思いを持ってやれるかということをすごく大事にしています。そこに関してもう目標・目的がはっきりしてるチームほど自分はウエルカムです。もちろんアマだったら分かりやすくJ参入だったり、そういうところを目指してるチームの熱量はすごく刺激になると思います。やりがいというか熱量という部分がすごく感じている部分ですかね。ただもちろん上を目指してまだやりたいという気持ちが高いです。そこをまた自分なりに考えられればと思います」

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ファンに向けて「昨日発表があって、すごい反響がありました。いろんな方からメッセージやInstagram、Xでコメントをいただいて。結果で自分のサッカー人生をかけて示していきたい思いは強いので。また元気な姿でピッチでプレーしてる姿を皆様にお見せすることができればなと思います」と爽やかな笑顔を浮かべて会場を去った。

長崎、水戸で活躍したプレーメーカーの新天地はどこになるのか。また華麗なプレーで観客を沸かせてほしい。

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