先日パリ五輪のメンバー18名を発表した日本。ただ久保建英(レアル・ソシエダ)、鈴木唯人(ブレンビー)らを筆頭にすでにヨーロッパで活躍している複数の選手が招集されなかった。
これは五輪が招集の強制力を持たないことや、ヨーロッパにおいて五輪・男子サッカーの位置づけがそれほど高くないことなどが理由として挙げられる。
また、今年カタールで開催されたアジアカップのようにヨーロッパのシーズン真っ最中に行われるケースもあり、主力選手が抜かれるクラブにとっては大きな打撃となる。実際、日本代表も含め選手を抜かれたクラブの中には怒り心頭のクラブもあるようだ。
8日に行われた囲み取材で、シント=トロイデンの立石敬之CEOがこんな話を明かしている。
「(ヨーロッパのクラブが)ワールドカップ、アジアカップなど強制力のある大会以外はあまり協力的ではないというのは…まあ僕も実は横目にヘント(ゲント)というクラブを見てまして。
(ヘントは)アジアカップで選手をかなり抜かれましたよね。(それによって)優勝争いから離脱してるのを見てるので。先日、そこのGMと話した時も『もう絶対協力したくない』『ファン・サポーターからの満足度が得られない』ってことを言ってました。なのでまあ、本当に難しい時代に来ているなというのは感じています」
ヘントには現在、渡辺剛、シュミット・ダニエル、横田大祐と3名の日本人が在籍しており、アジアカップには日本代表に渡辺剛が、韓国代表に洪賢錫がそれぞれ招集されチームを離脱している。
渡辺が守備の要として活躍していた前半戦は優勝争いをしていたが、アジアカップが開催された年明け以降は大失速。結局レギュラーシーズンは7位に終わっている。
昨年末にはヘントのハイン・ファンハーゼブルック監督が「ワールドカップやEUROに出場する選手に対し各クラブは補償金を受ける。アフリカネイションズカップやアジアカップではそれがない。我々に支払われるのは0ユーロだ。意味がわからない」と怒りをぶちまけていたが、悪い予感が現実のものとなった。
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また渡辺はアジアカップに参加したものの、途中出場1試合8分の出場に終わっている。こうしたさまざまな経緯があり、クラブのGMは不満を抱いているようだ。
「協力したくない」といってもワールドカップとアジアカップには強制力があるため拒否することは不可能だが、他の大会に関しては招集に応じないケースも出てくるかもしれない。