イングランド代表やマンチェスター・シティで長く活躍しているDFカイル・ウォーカー。
プレミアリーグ6回の優勝を経験し、右サイドバックのライバルが数多かったイングランド代表でも90試合に出場。世界でもトップクラスの選手として広く認められている。
『BBC』によれば、彼はポッドキャスト「You'll Never Beat Kyle Walker」に出演して以下のように話し、父親から受けたスパルタ教育を振り返っていたという。
「父親が今の自分を育ててくれた。子供の頃は父親とサッカーに行くのがイヤだったよ。いいプレーをしたか、あるいは悪いプレーをしたのかは関係なかった。
試合後に父が車に乗り込んできたら、かならず僕は泣かされたんだ。『あれを正しくやれなかった、これをきちんとできなかった』と指摘されてね。ただ、彼は僕を傷つけるためにそうしたんじゃない。気にかけていたからだった。
車に乗るときはいつも大変だったよ。母親のトレイシーは『マイケル、放っておいて。よくやったわ』と庇ってくれたけどね。
僕が3ゴールを決めた試合のあとでも、父親からは『いや、6ゴール決めるべきだった』と言われたものだよ。大人になってから初めて『いいプレーをした』と言ってくれるようになったんだ。
このような扱いをうけたことは、自分をより良い選手、より良い人間にしてくれたと思う。父親が間違っていることを証明してやろうとね。マンチェスター・シティに入るまで、父親から完全に認められはしなかった。シティで数年過ごしたあと、やっと『カイルはサッカーができるんだな』と感じてくれたと思うよ。
父のやり方と同じことはしないけれども、そのスタイルの一部は参考にしている。人生の勝者になる方法を教えてくれたいくつかのことを、子供たちに教えたいと感じている。
自分の子供たちには勝たせないようにしているよ。勝利だけを感じさせないようにしているんだ。もし日常的に勝たせていたら、負けたときにトラウマになってしまう。
庭でちょっとしたゲームで遊ぶ時も、僕はベストを尽くすようにしている。そういうものが習慣を植え付けることになると思うからね」
父親からはほとんど認めてもらえない一方、母親が逆にサポートしてくれていたというカイル・ウォーカー。いわゆるアメとムチが家庭において自然とできていたようだ。
それをすべて真似することはないものの、子供に勝利だけを味わわせないようにし、敗北の際に落ち込むような習慣が身につかないように心がけているそうだ。