今季、ドイツ1部のシュトゥットガルトでデビューを果たしたチェイス・アンリ。アメリカ人の父と日本人の母を持つ20歳の大型ディフェンダーだ。
そうしたなか、『Sky Sports』は、6000字以上になる彼の特集記事を伝えていた。
シュトゥットガルトの元コーチは「アンリには守備とヘディング、空中戦の能力がある。ワールドクラスのレベルでやっている」と絶賛。強さと速さがあり、特にエアバトルは無類の強さがあるとのこと。
尚志高校からドイツに直接渡った彼は、足元の技術改善にも必死で取り組んできたそうで、元コーチはこんな話を明かしている。
「2年前の彼はセカンドチームのベンチに座っていた。(身体能力は抜群だったが)多くのコーチにとって、彼の才能を見抜くのは困難なことだった。
全員が帰宅した後、彼は私にウェイトルームでツータッチでのリフティングをやってほしいと頼んできた。私たちはそれを毎日やった。なぜなら、彼は自分のボールタッチに取り組む必要があると分かっていたからね。絶えることのない取り組みだった。それは彼が自分から取り組む必要があった。
他の子たちは彼よりも7年経験があった。でも、あの子はうまくなることに取りつかれていた。彼が練習したがらない瞬間はなかった。私がいなくても、ひとりでやっていた。
選手に100メートルを全力疾走しろと言えば、たいていの選手はその意味を理解する。ただ、ポゼッション練習で3分半集中しろと言われても、100%の力を出すということがどういう意味なのかは理解できない。
(チェイス・アンリは例外だった)彼は集中やリカバリーの仕方などを理解していた。若い選手でその意味を本当に理解しているのはごくわずかだが、彼はそうだった。私は指導する時にアンリを例に挙げる。ああいう選手が成功するのだと。
(昨季トップチームの練習に参加した際)最初はほかの選手たちが彼を怒鳴りつけていた。うまくなかったからね。常にパスが悪かったり、プレッシャーを受けていたので、怒鳴られていた。彼はうまくなかったが、やがて追いつき始めた。
(当初、チェイス・アンリのパスが下手だと責めていたドイツ代表FWデニス・ウンダフは、シーズン終盤になるとその変貌を褒めた。彼は味方の信頼を勝ち取ったのだ)
私は自分の目で彼の成長を実感した。いま振り返ると鳥肌が立つね。この子はこの環境の産物だ。いまは素早いパスもできる。彼はこの環境で育ってきた。始めたのが遅かったので、この環境しか知らないからね」
チェイス・アンリは苦手な足元の技術向上に取り組み、ドイツ代表選手からも成長ぶりを褒められるほどだったとか。
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元コーチはそんな彼の取り組む姿勢を誇らしく思っており、いいお手本として名前を挙げているという。