J1ヴィッセル神戸は11月23日、天皇杯決勝として新国立競技場でガンバ大阪と対戦する。

両チームともにホームタウンから遠く離れている東京の地での試合開催ながら、71年ぶりの関西勢同士の対決ということもあり、距離の遠さを感じさせないほど新国立競技場は既に熱気に包まれている。

神戸ではタイトル奪取に向け、サポーター団体を中心とした有志がコレオグラフィーを企画。今回Qolyは試合前日に実施された神戸サポーター有志のコレオグラフィー準備に潜入取材を敢行。

クラブ史上2回目となる天皇杯制覇に向けた、神戸サポーターの意気込みに迫っていく。

平日昼に集まる神戸サポーターたち

準備のために特別に解放された入口を抜けると、まず目に入ったのは金曜日の15時という時間にもかかわらず集まった沢山のサポーターたちの姿。仕事や学業を抜け出して、新国立競技場に駆け付けたサポーターも少なからずいたようで、作業中に写真撮影などが実施される際には「顔が出たらマズい人は隠れて下さい!」といったユーモラスな声掛けも行われていた。

彼らが行っている作業は、サポーター団体が作成した設計図をもとに、数色の紙を座席のドリンクホルダーに入れていくこと。実際に参加してみると、スタジアムの冷たいコンクリートの上で膝立ちになりながら行うこの作業は、思いのほか膝や腰への負担が大きいことがわかる。

また、野ざらしの座席に触れ続ける作業の性質上、手が真っ黒にもなる。

美しいコレオグラフィーの裏には、こうしたサポーターたちの献身的な努力が存在しているのだ。

67750人という国内屈指の大規模スタジアムである国立競技場での試合開催ということもあり、コレオグラフィーはスタジアム最上部の3層目まで及ぶ。

各フロアに分かれての作業でも、サポーター団体のメンバーや、過去にコレオグラフィー制作に携わったことのあるベテランサポーターが音頭を取り、効率よく作業は進んでいった。

そして16時を過ぎた頃、当初の予定より1時間近くも早く作業は終了した。神戸サポーターの中には、まだ作業の終了していない千駄ヶ谷方面のスタンドのガンバサポーターを見ながら「神戸の方が人も多いしすぐ終わったな」「アイツら(ガンバサポーター)はホンマに18時までに終わるんやろか」といった声も聞こえ、試合開始まで20時間以上あるにもかかわらず、既にバチバチの“神阪”ダービーの火蓋が切られていた。

作業終了後、作業に携わったあるサポーター団体のメンバーに話を聞いた。明日の意気込みについて聞くと、彼は「多くのサポーターが平日の国立に集まって協力していただいたことで、限られた時間内でコレオを完成することができました。決勝当日もゴール裏全体で優勝に向けて雰囲気を作り上げて、勝って二冠達成へ勢いつけていきたいです」と語った。天皇杯は神戸サポーターにとって重要な試合でもあるが、同時にクラブ史上初の国内二冠、そしてACLE制覇に向けた通過点でもある。

天皇杯決勝前!ガンバ大阪とヴィッセル神戸で活躍した5選手

天皇杯決勝は「勝利の船」ヴィッセル神戸にとって新たな船出になるのだろうか。

そして、新たな船出を祝う美しいコレオグラフィーにも注目したい。

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