1月5日に行われたペルーでの試合で、「運動後に冷たい氷水を飲んだ選手が死去する」という悲劇があった。
体が加熱している間に非常に冷たい水を摂取したことから、この温度変化が死亡事故をもたらしたのかもしれないと報道された。選手が倒れた瞬間の映像がインターネットで流れていたこともあり、メディアでは「冷たい水が原因で肺虚脱を起こした」とも伝えられて大きな話題に。
しかしながらその後の専門家への取材によって「冷たい水での温度変化が死亡事故に直結したわけではない」ことが伝えられている。
『Buenos Días Perú』によれば、医師のルイス・コティージョ氏はこの事故について「単なる偶然である」と説明したという。
「氷水はこの突然死とはなんの関係もない。スポーツをすれば塩分や電解質が失われ、時には脱水状態が致死的な不整脈を引き起こす可能性がある。
肉体的な努力をする前に心臓の検査を受けなければならない。心臓が停止することには多くの原因が考えられており、ライフスタイルや喫煙、高血圧など様々なことがあげられる。
先天性疾患があるかどうか、スポーツをするときには必ず診断を受ける必要がある。また、たとえすべての検査を受けたとしても5%の突然死のリスクがある。隠れた心臓病が存在するからだ」
また、『Infobae』も専門家のエルマル・ウエルタ医師に取材を行い、氷水と突然死を結びつける根拠がないと説明したそうだ。
「心臓が健康であれば、スポーツのあとに冷たい水を飲んでも何も起こることはない。ただ、未診断の心臓の欠陥など基礎疾患がある場合、迷走神経反射に関連した重篤な症状が発生する可能性がある。
医学的にこの原因を分析するのであれば、問題は氷水そのものではなく、見過ごされがちな心臓などの病状にある。温かい体で冷たい水を飲むと循環器系を破壊するとか、肺炎を引き起こすといった誤った信念は持つべきではない」
記事によれば、ペルーでは広く「暑い時に冷たい水を飲まない」などの迷信が深く根付いており、今回の事象に関するメディアの報道も当初は医学的見地から見れば誤ったものが多かったようだ。