福島ユナイテッドFCは24日、吉武博文氏が2025シーズンよりアカデミーダイレクターならびにU-13監督に就任することが決定したと発表した。
吉武氏は1960年6月8日生まれの64歳。大分県で生まれ育ち、指導者としては大分トリニータU-15コーチを経て、日本サッカー協会のスタッフ入り。2009年からはU-17ワールドカップに向けた世代別の日本代表を2度率い、それぞれ本大会でベスト8、ベスト16の成績を残した。
2016年には岡田武史氏がオーナーを務めるFC今治の監督に就任し、クラブ独自の育成メソッド構築にも尽力。その後はJFAアカデミー福島男子U-15監督、東京ヴェルディヘッドコーチ、アローズ長崎ゼネラルマネージャー兼APPダイレクターと各地で活躍し、2023年から2年間は関西リーグのおこしやす京都ACで監督を務めていた。
以下は福島のスタッフ入りが決まった吉武氏のコメント。
「このたび、アカデミーダイレクターならびU-13監督に就任することとなりました吉武 博文、64歳です。還暦を迎え、体力の衰えを感じることもありますが、みなさまの力をお借りしながら『これまでの経験』と『ノウハウ』を生かして、クラブの発展に貢献していきたいと考えています。
長期的な目標としては、夢は大きく福島から『バロンドール』を獲得するような選手を育成することを目指します。中期的には、世界中から入団を希望されるウィーン少年合唱団、地元の学校から選ばれた生徒による活動であるウィンブルドンのボールキッズのように、短期的には『福島ユナイテッドのアカデミー』出身であることを誇れる青年を多く輩出できるように尽力いたします。
『絵に描いた餅』に終わることのないように精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」
なお、福島ユナイテッドは吉武氏加入について以下のように綴っている。
「吉武博文氏は育成のスペシャリストであり、教え子からは大分市立明野中学校監督時代の永井秀樹氏、三浦淳宏氏、大分トリニータU-15コーチ時代の清武弘嗣選手など数多くの日本代表選手が誕生しています。また、その手腕を評価され日本代表U-17監督を務め、南野拓実選手や冨安健洋選手らを指導・育成し、2011年のU-17W杯では18年ぶりとなる決勝トーナメント進出となるベスト8進出。準々決勝ブラジル戦では0-3という絶望的なスコアとなるも、そこからチームを立て直すと最後は惜しくも2-3で敗れましたが、あわやアップセットかと思わせる攻撃サッカーを展開、世界から称賛されました。
現在当クラブ関塚隆TDは、翌年のロンドン五輪でベスト4進出時の監督であり、当時の日本代表を支えたナショナルコーチングスタッフが強力タッグを組んで福島ユナイテッドFCの未来を見据えた基盤づくりに着手することとなります」
福島ユナイテッドは2023年7月、ロンドン五輪の日本代表監督である関塚隆氏がテクニカルダイレクターに就任。昨季は古巣の川崎フロンターレから寺田周平氏を監督として招聘し、J3で5位の好成績を残した。
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一方で、同じ福島県内にはもう一つのJリーグクラブ、J2のいわきFCが存在。今後の中長期的なクラブの成長に向け、育成部門の強化を図るため、日本サッカー協会時代からよく知る“スペシャリスト”吉武氏を育成部門のトップに招いたとみられる。