[J2第1節いわきFC 0-2 ジェフユナイテッド千葉、2月15日、福島・ハワイアンズスタジアムいわき]

いわきは千葉に0-2で敗れ、3季連続で開幕黒星スタートとなった。優れた身体能力と鍛え上げられたフィジカルを生かした切れ目のないプレスを仕掛けて千葉を圧倒して前半だけでシュート12本を放つも、バーに直撃するなどゴールに嫌われた。攻めあぐねる中で隙を突かれる形で、前半31分にペナルティーキックで失点し、後半15分にも追加点を許して敗戦を喫した。

今季完全移籍で帰還した新主将

今季主将に就任したDF遠藤凌は気持ちのこもったプレーでピンチを防ぎ続けた。2022年6月にJ1アルビレックス新潟から育成型期限付き移籍でいわきに加入してから2023年シーズンも主力として活躍したディフェンスリーダーは昨季保有元に復帰し、今季になって完全移籍で加わった。クレバーなカバーリング、鋭いタックル、ロングフィードからカウンターの起点となるプレーで攻守に存在感を見せた。

鋭いスライディングを見せた遠藤主将(左)

いい守備からいい攻撃につなげる理想的なサッカーで相手を手玉に取るが、最後の精度で泣かされた。遠藤主将は「素晴らしい入りをしただけに、決め切るチャンスは前半だけでも数え切れないくらいあった。(相手のチャンスで)しっかりと耐えることができれば、勝ちに持っていけたんじゃないかなと思います」と深く肩を落とした。

この日はチケットが完売し、5046人の観客がスタジアムを埋め尽くした。

ゴール裏からイレブンに大声援を送ったいわきサポーター

イレブンは熱い声援を受けながら躍動したが、勝利を届けられなかった。サポーターと再会した遠藤主将は声援について「最高でした。素晴らしい雰囲気を作っていただいてありがとうございました」と喜ぶ瞬間はあったが、「そこで勝ちを届けられなかったことはすごく残念ですし、次はホームでしっかりと勝てるようにしたい」と悔しさをにじませた。

いわきに復帰してから田村雄三監督から主将を任された。指名された瞬間は驚きもあったが、「やってやろう!」と闘志を燃やしたという。この日もディフェンスリーダーとして大声でコーチングしながらイレブンを鼓舞し、球際の守備でも素早く寄せるなど身を挺(てい)して奮闘。キャプテンとしていい守備からいい攻撃をつなげるプレーでチームをけん引した。

身体を張った守備でチームをけん引した遠藤主将(右)

背番号3は「自分のところで全部潰すくらいディフェンスリーダーとしてやっていきたいと思っているので、もっともっと成長しなければいけない」と自分自身に厳しく言い聞かせていた。クレバーなセンターバックから闘将へと生まれ変わろうとしている。

【インタビュー】躍進のいわきFCを支え続ける陰の功労者、浜を照らし続けるサポーターたちの姿を追う

チームは23日午後2時にアウェーで次節大分トリニータと対戦する。「きょう出た課題を修正して次に引きずることなく、チーム全員で向かっていきたい」と奮起。いわきの闘将を筆頭にイレブンが魂の息吹くフットボールを披露し、次節に今季初勝利をチーム一丸でつかみ取る。

(取材・文 高橋アオ)

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