【J2第1節RB大宮アルディージャ2-1モンテディオ山形、2月15日、NACK5スタジアム大宮】
昨季J3王者となり、2季ぶりにJ2へ帰還した大宮は山形を2-1で下して今季白星発進した。
昨季に大卒ルーキーイヤーながらリーグ戦6ゴールを挙げて大宮のJ3優勝に貢献したFW藤井一志(かずし)が、後半アディショナルタイムに劇的な勝ち越しゴールを挙げて、レッドブル資本となった新生・大宮の門出を飾った。
開幕前には世界的名将、ユルゲン・クロップ氏が登場
この日、試合開始前にはドイツ・ブンデスリーガのドルトムントやイングランド・プレミアリーグのリヴァプールを指揮して数々のタイトルを獲得し、今年からレッドブルグループのグローバルサッカー部門責任者に就任したユルゲン・クロップ氏(ドイツ)がファーストピッチセレモニーに登場。
原博実(ひろみ)代表取締役社長とともにNACK5スタジアムのピッチに降り立ち、同スタジアムでのJ2史上最多の観客動員数となる1万3418人の観客から拍手喝さいの歓迎を受けた。
セレモニー後は、元ドイツ代表FWマリオ・ゴメス氏(レッドブル・スポーツ部門テクニカルディレクター)とこの試合を視察した。
クロップ氏はMF香川真司(J1セレッソ大阪)やFW南野拓実(フランス1部ASモナコ)、MF遠藤航(イングランド1部リヴァプール)ら日本代表選手を指導した経験があり、日本人選手についてよく理解している人物だ。
日本人選手との関わりも深い世界的名将の来場に、ファン・サポーターだけでなく、選手たちの士気も高まった。
RB大宮初陣の劇的決勝ゴールは人生最高のゴール
前半42分にコロンビア人FWファビアン・ゴンザレスの負傷交代でピッチに投入された藤井は、前線で果敢に相手ゴールに迫り、守備では自慢の走力でアグレッシブにプレスをかけ続けた。
1-1で迎えた後半52分に、MF谷内田(やちだ)哲平が蹴った左からのコーナーキックのこぼれ球をゴール前で藤井が左足で押し込み決勝弾を挙げた。大宮の勝利を決定付けた試合終了間際の劇的ゴールに、オレンジとネイビーのユニフォームをまとったスタジアムが沸いた。
VIP席で試合を観戦していたクロップ氏も窓ガラスを揺さぶって喜び、興奮を爆発させた。
殊勲のストライカーは「泥臭いゴールではありましたけど、(チームを)勝利に導くゴールは普段から意識しているところなので、結果はどうあれしっかりと自分の仕事ができた」と白い歯をこぼした。
普段のトレーニングから、得点の形にこだわらず、ゴールを奪うことを追及している大宮の背番号42。「こぼれてきそうだな」と瞬時に感じ、相手より早く動き出せた。
この日、ドイツの世界的名将がスタジアムに来ることを聞き、「絶対に勝利を届けなければいけない」と気持ちを高まらせていたという同選手は「RB大宮アルディージャとしての第一歩を僕のゴールで勝利に結びつけられてすごくうれしいです。点が決まった瞬間は頭が真っ白になって、時が止まっているように感じました。人生最高のゴールだったと思います」とクラブの歴史に残るゴールを喜んだ。