かつてチェルシーやユヴェントスなどに所属した元ルーマニア代表FWアドリアン・ムトゥが、かつてコカインを摂取していたことを後悔していると告白した。

パルマでアドリアーノや中田英寿とともに伝説のトリオ「トリデンテ」を形成したムトゥは、活躍が認められて2003年にチェルシーへと移籍した。

しかし当時のプレミアリーグでは2ゴールと苦戦し、次年度に就任したジョゼ・モウリーニョ監督からは評価されず。2004年9月にはコカインの陽性反応を示したことで7ヶ月の出場停止処分を受け、最終的には解雇された。

現在は指導者として活動している彼は今回『Telegraph』のポッドキャストに出演し、チェルシー時代の失敗を後悔していると語った。

「チェルシーにいたころにコカインを摂取したことは、自分のキャリアの中で最悪の決断だったと思う。

私は孤独で悲しかったが、抱えていた鬱病も、その他のいかなる理由も、自分の行動を正当化するものではなかった。薬物に対しては寛容にならないことがチェルシーの方針だったし、それは公平なものだったと思う。

私は間違いを犯して、道を外れて、その代償を払うことになった。不意に挑むことになった生活に慣れていなかったし、準備もできていなかった。私生活が混乱している時期にチェルシーへとやってきたので、言い訳やウソに囚われすぎていたんだ。若すぎたし、孤独すぎた。

このことについては何度も考えてきたよ。数年間の私は世界最高の選手の一人だったから、簡単に頂点(バロンドール)までたどり着けたはずだと信じている。しかし悪い決断と行動が私を妨げた。そのことについて、自分を責めないようにはしているけどね」

チェルシーを離れたあとはユヴェントスやフィオレンティーナで結果を残したが、2010年には再び抗肥満薬によるドーピング違反が発覚し、半年間の出場停止処分を受けた。

非常に技術と創造性に優れ、得点力まで備えた天才アタッカーであったものの、その一方で気まぐれな性格と一貫性の不足、プライベートでのトラブルの多さがネックになっていたムトゥ。

ルーマニア代表でも試合後の夜遊びが発覚してチームを追放されたり、監督をMr.ビーンにした画像をSNSに投稿して招集停止処分になるなど、様々な問題行動があった。

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