JリーグYBCルヴァンカップは9日、1stラウンドの2回戦6試合と延期になっていた1回戦1試合が各地で開催された。
J2レノファ山口FCは、J1鹿島アントラーズとホームの維新みらいふスタジアムで対戦。
先制しながら追いつかれたものの、PK戦の末に勝利。カップ戦の醍醐味である“ジャイアントキリング”を達成した。
1-1で迎えたPK戦では、GK田口潤人が元日本代表MF柴崎岳のキックをストップ。対する山口は5人全員が成功させ、3回戦への切符を手にしている。
激闘となった一戦、山口の先制点が生まれたのは64分のことだった。
左サイドからのセットプレー。ショートで出したボールをMF小澤亮太がトラップすると、浮いたボールに左足を一閃。強烈なシュートは飛びついた鈴木優磨のブロックをすり抜けてゴール右隅に突き刺さった。
デザインされたセットプレーでの鮮やかな得点。かと思いきや、クラブ公式サイトによると小澤は試合後、こんなふうに先制弾を振り返っていたという。
「本当はスルーしろという指示でしたが、スルーすると取られそうだったので判断を変えました。トラップしたらコースが見えたので、本当にそこに向けて振り抜くだけでした」
デザインされていたのは実は別の形。相手選手の動きを見て、小澤が急きょ判断を変えたようだ。見事な判断力、そして決定力だった。
「まさかプロ初ゴールが、J1チームの鹿島戦だと思っていなかったです。サポーターも夜遅くまで応援してくれたので、本当にすごく嬉しかったです」
小澤は日本体育大学から今季プロ入りした22歳。リーグ戦での出場はまだないが、このゴールを一つのきっかけにしたいところだ。
J2では現在1勝3分4敗で18位に沈んでいる山口。今週末は13日(日)にカターレ富山とアウェイで対戦する。