ヴァンフォーレ甲府は15日、シンガポール政府・文化社会青年省の法定機関である『スポーツシンガポール(SportSG)』と覚書を締結し、同機関直下でサッカーの水準向上を推進する国家プロジェクト『Unleash the Roar!(UTR!)』から、ナズリ・ナシル氏をトップチームのアシスタントコーチとして登録することになったと発表した。

ナシル氏は1971年1月17日生まれの54歳。現役時代は中盤やセンターバックとしてシンガポールの国内リーグで活躍。シンガポール代表でも104試合13ゴールの記録を持つ同国のレジェンドだ。

指導者としてはシンガポールの世代別代表で監督やコーチを歴任したのち、2019年にA代表のヘッドコーチに就任。2019年と2022年には短期間だが監督も務めている。

近年は2023年から今年2月にかけて、シンガポール1部リーグの参戦している U-23代表(ヤング・ライオンズ)を率いていた。

そんなナシル氏が今回、国家プロジェクトのもとで、甲府のアシスタントコーチとして登録されることに。期間は2025年5月23日から2025年11月30日の予定だという。

以下は関係者のコメント。

ナズリ・ナシル氏

「ヴァンフォーレ甲府のサポーター、クラブ関係者の皆さま、こんにちは。この場をお借りして、このような機会を与えてくださったヴァンフォーレ甲府に感謝申し上げます。

私がヴァンフォーレ甲府に指導者として来日したのは、規律、戦術的理解力、選手育成を重視する環境の中で学ぶ貴重な機会をいただけることになったからです。

日本のサッカーは技術的な正確さと、強い主体性を持つことで知られており、私はヴァンフォーレ甲府のコーチ陣がどのようにトレーニングを構成し、若い才能を育成し、結束力のあるチームを作り上げているのかを学びたいと思っています。

この経験は、私のコーチング知識やメソッドを高めることだけでなく、コーチングにおいて新たな視点に触れることになるでしょう。

そして、ヴァンフォーレ甲府とシンガポールが有意義な関係を築き上げ、共に発展していけますことを祈念しております」

ヴァンフォーレ甲府 代表取締役社長 佐久間悟氏

「まず始めに、この度のシンガポール国家プロジェクトに対し、Jクラブとして貢献できることを大変光栄に感じております。

ヴァンフォーレ甲府は数年来、クラブに関わる皆様方のご協力とご尽力により、カンボジアやインドネシア等のアセアン諸国との間でサッカーを中心とする交流を積極的に行って参りました結果、様々な国と地域との間で信頼が芽生え、同時に関係も構築されました。

また、2023年1月には、ヴァンフォーレ甲府U-18がシンガポールで初となるトレーニングキャンプを実施したことがきっかけとなり、政府と協会さらには、地元チームとの交流が深まることとなりました。

そして、今回はTOPチームスタッフ陣の理解のもと、シンガポールサッカー界の英雄であるナズリ・ナシル氏をトップチームのコーチとして、受け入れることになりました。

クラブにとりましては、メモリアルな今シーズンにシンガポール政府の国家プロジェクトと協働することは、新たなチャレンジになると位置づけ、また、ヴァンフォーレ甲府がアジア諸国においても強みを発揮できる大変貴重な機会であると捉え、ナズリ・ナシルコーチには、チーム戦術や選手の個別育成、さらにはコーチング法やタレントの発掘とスカウティング法等を学ぶだけではなく、指導の実践機会等を含めて、クラブのプログラムを提供し、シンガポールサッカーの発展に貢献することが出来ればと考えます」

プレミアリーグの歴史上「最高のアジア人選手」

シンガポール政府・文化社会青年省法定機関スポーツ・シンガポール(SportSG)デベロップメントグループ・チーフ マーカス・タン氏

「ヴァンフォーレ甲府のコーチ海外派遣プログラムへのご支援に感謝申し上げます。クラブとの緊密な連携を楽しみにしており、この協力がコーチ陣にとって貴重な学習機会となることを確信しています」

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