ダービーでの大ブーイングに感謝
今年3月30日、Jリーグの舞台では初めて『栃木ダービー』がカンセキスタジアムとちぎで開催された。
試合前から栃木CのFW田中パウロ淳一がSNSでこのダービーについて宣伝して盛り上げるなどして、話題を集めていた。
両クラブのサポーターが最も注目していた選手は、やはり今冬に禁断の移籍をした森だった。
この試合で栃木Cの背番号8は後半27分にピッチに投入された。同選手のピッチインとともにホームの栃木SCサポーターの大ブーイングがスタジアムに鳴り響いた。
試合は1点を先制された栃木Cが、試合終了間際の後半45分にMF岡庭裕貴が劇的同点弾を挙げて1-1のドローに終わった。
ーー3月に、古巣・栃木SCとのダービーに出場されました。どのような気持ちで試合に臨みましたか。
「初めての経験だったので、違和感がありました。『どんな感じになるのかな』と思ったら、すごいブーイングを浴びせていただいたので、いい経験だなと(笑)。でも、覚えてくれているというか、いろんな感情をブーイングという形でしっかり表現してくれることはすごくありがたいし、『僕ももっと頑張らないと』という気持ちになりました」
ーー試合後には栃木SCのゴール裏へ挨拶に行っていましたね。
「そのときもすごいブーイングが飛び交っていました(笑)。本当にありがたいなと」
ーー今後はどのようにして栃木ダービーを盛り上げていきたいですか。
「一番は結果で示していきたいです。 僕のこの移籍については、いろいろな意見があったと思います。それを『(移籍して)良かったね』と言っていただくためには、勝利は最低条件だと思うので、そこを達成できるようにやっていきたいと思います」
ーー田中パウロ選手はSNSでダービーを盛り上げていましたが、今後森選手の登場はありますか。
「僕にはちょっと難しいです(苦笑)。使ってくれればもちろん頑張るんですけど、そこはパウロくんに一任します」
この試合では古巣のサポーターからブーイングを浴び続けたMFだが、そのブーイングの中にあるサポーターの温かさを感じ、改めて心に火がついた。
次項では同選手が栃木SC時代を振り返り、アカデミー時代をともに過ごし、プロ1年目で同期だったベルギー1部ルーヴェンDF明本考浩(たかひろ)との思い出なども語った。