ナイスキャプテンであり続けた24歳が見据えるW杯優勝

自身の価値をゴールで証明した背番号10はアシストでも見せた。

2-0で迎えた前半終了間際の51分に、ピッチ中央でボールを受けた久保は『ここだ』と言わんばかりの見事なパスを鎌田に供給し、鎌田の2得点目をアシストした。

日本のエースは後半も躍動。さらに1得点を追加して4-0で迎えた後半13分には、ボックス内中央でふわりとした浮き球パスを相手ゴールキーパーと相手ディフェンダーの間に落とし、最後はFW町野修斗(ドイツ2部ホルシュタイン・キール)が左足で押し込んだ。

その後もサムライブルーの背番号10は、極上のチャンスメイクで攻撃をけん引。守備では「帰陣の部分で、僕が悪い意味で目立たないようにしようと心がけていました」と身体を張り続け、日本の新しい背番号10として君臨し続けた。

攻守に奮闘した久保

圧巻のパフォーマンスを披露した久保は後半24分にMF佐藤龍之介(J1ファジアーノ岡山)と途中交代でピッチを去り、会場からは大きな拍手が送られた。

試合は6-0で日本代表が大勝。1得点2アシストを記録したエースは「楽な相手はいないと思うので、どんな相手でもきょうみたいに違いを見せることで、ワールドカップでも日本を助けられる」とさらなる成長を誓った。

今月4日に24歳の誕生日を迎えたばかりの男が見据える先はW杯優勝だ。試合後には森保監督から「ナイスキャプテン」と背中を叩かれたというが、しばらく腕章を巻くつもりはないと話した。

背番号10とキャプテンマークをまとった久保

「これから4年くらいは(キャプテンマークを)巻かないと思います。ここからはそんな余裕もないので、ひとまずきょうの思い出として(心に)しまっておきます。

そのうち(代表歴が)長くなってきたら、おのずと僕が(キャプテンマークを)巻くことになると思います。だけどいまは別にキャプテンをやりたいわけではないので、みんなから『(キャプテンを)やれ』と言われれば、やるという感じです」

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アジア最終予選を有終の美で終えた日本代表は、来年に控えたW杯に向けて動き出す。久保は「最終予選で勝ったからといって、世界との距離が縮まったかどうかは分からない。これからのシリーズで、また(日本代表の強さを)推しはかっていきたい」と、強敵たちの対戦を心待ちにしている。

(取材・文 浅野凜太郎)

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