[J3第22節、栃木SC 0-1 栃木シティFC、7月26日、栃木・CITY FOOTBALL STATION]
17位栃木SCはアウェイで首位栃木Cに1-0で勝利し、4試合ぶりの白星を収めて15位となった。
またJ3では2試合目となった『栃木ダービー』で、無敗を継続した。
この大一番で、今季リーグ戦初先発に抜てきされた栃木SC・DF木邨(きむら)優人は、3バックの一角でフル出場。身体を張った守備で幾度となくピンチを防ぎ、チームの完封勝利に貢献した。
今季初先発で完封勝利の立役者に
「いつでもスタメンで出たいという気持ちでここまで取り組んできた」
出場機会に飢える大卒ルーキーの今季リーグ戦初先発は、首位栃木Cとの大一番だった。
栃木SCの小林伸二監督が「今週の(練習での)状態を見て」ダービーの先発に抜てきされた木邨は、気合十分だった。
試合開始早々はいきなり警告を受けてしまうなど、意気込みが空回りしてしまうシーンもあったが、試合が進むにつれてリズムをつかみ、身体を張ったシュートブロックなどでピンチの芽を摘んだ。
「シュートブロックは自分の特徴でもあります。最後に身体を張ることは、最低限できるところだと思うので、身体を張るところは見逃さず、『絶対に自分が一番体を張る!』という強い気持ちを持って取り組みました」
この試合で木邨は、相手エースのFW田中パウロ淳一とのマッチアップに手を焼いた。
栃木SCの背番号37は「事前の情報から左足で(相手を)抜き去るということは聞いていたんですけど、少し外してからの左足であったりとか、そこのスピードは速かったので、そういうところで少しやられたところもあった。反省点として練習からやっていきたいと思います」と振り返った。
それでも、左ウィングバックで出場したFW川名連介(れんのすけ)と挟みこむ守備で、相手エースのドリブル突破を食い止めた。
試合は前半32分のオウンゴールによる先制点を守り切った栃木SCが、栃木県選手権大会決勝(天皇杯栃木県予選決勝 2◯0)に続き公式戦連勝を達成した。
フル出場でチームを首位撃破に導いた大卒ルーキーは、「きょうこうやってチャンスをもらえて、得点ではチームに貢献することはできなかったかもしれませんが、僕はセンターバックなので身体を張るというところではチームに貢献できたと思います。
(首位撃破は)素直にうれしいです。初スタメンでこういう形で勝てて、『初心を忘れない』じゃないですけど、ここからチームとしても上に上がっていくために、自分がもっとチームに貢献していけるようにやっていきたいと思います」と笑顔で答えた。
栃木SCは次節、来月16日午後7時にホーム・カンセキスタジアムとちぎで最下位のアスルクラロ沼津と対戦する。
残留を争うライバルとの直接対決。絶対に負けられない。
ダービーでの完封勝利に自信をつけた新人DFは「少し中断期間が入りますが、チームとして目標をブレさせずにやるためには次の試合も勝たなければいけない。しっかりいい準備をして、次の試合もやっていけたらと思います」とこぶしを握り締めた。
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木邨には残留争い真っ只中のチームの救世主となる活躍が期待される。
(取材・文 縄手猟)