2011年1月8日(土) - アル=ガラファ・スタジアム
0
0-0
0-2
2




得点者
58'
67'
チャン・リンペン
デン・シュオシャン


ガルフカップ、西アジアカップの王者であるクウェートと、東アジア選手権の王者である中国との対戦。大会の初戦とあってお互いに慎重な試合運びをする内容となったが、状況を味方につけた中国が後半に2得点をあげ、決勝トーナメント進出に向けて大きな勝ち点3を奪取した。

中国は、相手の前線のスピードや飛び出しを警戒するため、サイドバックは攻撃参加を控え、最終ラインはすぐ位置を下げるという戦術で臨んだ。しかし、決していい試合の入り方をしたとは言いがたった。

というのは相手の強みを押さえてはいたが、他に穴が大きく空いていたからだ。自陣深くに形成された守備ブロックは、相手の後方からの展開を抑えられずパスを出されてしまう。そしてDF陣は緊張からか「チェックしに行けばやり過ぎてファウルを取られ、裏を怖がると全くチェックに行かない」という中途半端なプレーに終始。結果的に相手のキーマンの一人であるアル=モタワの足元に、何度もボールを入れさせてしまいピンチを迎えた。時折個人技でチャンスは作れるものの前線は孤立し、最終ラインは意識では守っているにも関わらず安定しなかった。相手を警戒しすぎて、自分たちの強みと弱みを見失っていたといえる。

しかし、2つのきっかけが中国に勝利をもたらした。まず一つ目は34分、フォアチェックに行ったヤン・シュに対し、クウェートのDFメサエド・アル=エンジが交錯した際に報復行為を行った。これにレッドカードが提示され、中国は数的優位を手にする。そして二つ目は58分にセットプレーから先制点を獲得できたこと。ヤン・ハオの左コーナーキックからのこぼれ球を、チャン・リンペンが左足でボレーシュートに持ち込む。これがディフェンダーに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。

中国は数的優位になってからも攻撃に人数がかからず連携もなく、一人多いことを全く感じないプレーをしていた。しかしこの得点が入ったことによって「堅さ」が消えた。守備はファウルになるほど行き過ぎず、コンパクトに連携を取ることが可能になった。攻撃では時折ダイレクトにパスが回る場面も見られるようになった。

攻守のバランスを取り戻した中国は67分にカウンターを決める。ハオ・ジュンミンの突破から奪ったフリーキックを、デン・シュオシャンが直接ゴールに叩き込んで追加点を奪取。あとは一人少ないクウェートの攻めを安定した守備で弾き返し、勝利に結びつけた。

(筆:Qoly編集部 K)





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