――森岡選手が目指すプレースタイルについて深堀りしようと思うのですが、モデルにしている選手はいますか?
一番近いところだと、(アンドレス・)イニエスタやイスコですかね。二列目とか三列目に位置しながら、マーカーをかわせる選手。あの位置でかわしても、相手のセンターバックって出れないじゃないですか。なので、その瞬間にスペースが出来てるんです。「何でも出来る時間を生まれる」というか。そういうことが出来る選手を目指していますね。
――となると、最近プレーしているポジションとは少し違いますね。
ポジション的には、最終局面で一対一からゴールに向かうというより、その一つ手前が好きなんです。そこで、ドリブルも、パスも、シュートもできる選手が好きですね。さらに言うと、チームのリズムが乱れてきた時に落ち着かせられる選手です。自分でも行っても良し、周りを使っても良しが理想的。
――海外に出て初めて気付かされた課題とかはありますか?
「体を当てられた時にかわし切るための力」ですかね。それは海外に出てから強く感じました。そういうシチュエーションでも負けないことが重要なんです。後は直線的なスピードですかね。五分五分の場面でもキレは必要だなと。
――スピード勝負は…?
昔から苦手ですね。ずっと足が遅かったんで。だから、今も足を速くするトレーニングは研究しています。
――そのスピードがあれば、抜き切るための力にもなると?
というよりは、足があれば、プレーの幅が広がると思うんですよね。例えば、イスコがドリブルを仕掛ける時、客観的に見たら「勝率五割」のような状況でも、彼は「勝率八割」の気持ちで挑んでいるはずです。で、この「勝率」を自分自身の中で高めること、その自信をどこまで深められるかによってプレースタイルも変わってくるなって。今の自分は、周りの状況や対峙する選手を見た上で「抜けるだろう」と判断できる状況でしか仕掛けられません。でも、キレが増してくると、これまでは勝負を避けていたシチュエーションでも仕掛けられるようになると思います。ゲームの中で、自分がしたいプレーが増えてくるイメージですね。
――プレーの選択肢が広がるということですね。
そうです。で、今、その選択肢が最も多い選手が(リオネル・)メッシだと思っています。
――選択肢の話が出ましたが、森岡選手の十八番として、「バイタエルエリアで人をかわしてからのミドルシュート」という形があると思いますが、あれは得意な形でしょうか?
そうですね。ポーランドに来て狙う回数も増えました。でも、あれは、「メッシが持っているような最終ラインを突破できる力がないから」とも言えます。「最後のブロックの一つ前で打ってしまっている」というか…。だから、これから自分の能力が上がってきたら、そこも変わってくるかもしれません。最終局面を突破できる自信がついた時は、ペナルティエリア内にもガンガン仕掛けますよ(笑)
――それは楽しみです!
その時は、「あいつ、もう一つ前に行くようになったんや~」と驚いてください(笑)
――レベルアップの証ですね。
ミドルもあるし、中にも入ってこれるという選手になれば、確実にプレーの幅は広がりますからね。そういう選手に対しては、相手のバックラインも潰すために前に出ないといけないので、フリーの選手が生まれます。そうなれば、そこを使ってのワンツーだったり、崩しのレパートリーも増えます。
――ベルギーでどのようにプレースタイルが変わっていくかにも注目して、これからも追っていきます!
ありがとうございます!