――横浜F・マリノスが理想というのは興味深いですね。

Jリーグを見ていても、やっぱりマリノスだったり、川崎フロンターレだったり。「ザ・サイドバック」という形がどんどん崩れてきて、中央での繋ぎの部分に参加するといったように変わり始めているのかなと思います。

なので、自分だったらクロスが得意だというのはありますけど、今はそういう形ではなく、サイドハーフより中に入ってそこからスルーパスでアシストしたり、抜け出したりと、中での仕事が多い選手もいます。

――駒野選手は「偽ボランチ」にトライされていますか?

そこは身につけたというか…完全ではないですけど。まだ公式戦はそんなに入っているわけではないので。

練習でトライしていくことが大事ですし、何回かやったりはしますけど、うまくいったりいかなかったりを繰り返してやっています。

――「偽ボランチ」をやるにあたって重要なことは何でしょう?

やっぱりタイミングが一番大事です。最初から入ってしまうと変えられた時に繋ぎの部分で難しくなる時もありますし、本当にそこに入っていくのはタイミングだなと練習をやりながら思いました。

――“景色”がサイドバックとはだいぶ違うと思います。そのあたりの違和感は消えるものなのですか?

ありますね(笑)。中央に入れば、360度を見なければいけません。やはり後ろからとなると、まだまだ相手を意識してやらなければいけないと思っています。

――コーチングとかでも変わったところはありますか?

コーチングはそんなに変わっていないですね。ただ年齢を重ねて周りを動かすことは増えたかなと思います。

「こういうボールも蹴れる」と見せることの大切さ

――駒野選手のクロスは率直にすごく綺麗です。もともとキックが持ち味だったとは思うのですが、その中でもすごく“強み”にできた理由はご自身の中でどのように考えていますか?

ストライカーが身長の高いヘディングを合わせるタイプでも、身長が低い佐藤寿人選手のようなタイプでも、両方の選手に合わせられるところが自分の得意なところだと思っています。

――やはり佐藤寿人選手と一緒にプレーした経験は大きかったですか?

そうですね。自分のボールだけではないんですけど、寿人の動き出し、一瞬でマークを剥がす動きに練習で何度も合わせていたので、それが自分を成長させてくれたと感じています。