今季のG大阪が多く採用して来た〔4-3-3〕は守備時に両サイドのウイングが引いて、インテリオールの1人がセンターフォワードと共にプレスをかけに前に出る〔4-4-2]に可変する。ただ、3冠達成時など従来のG大阪が採用してきた〔4-4-2〕とは違うようだ。

「インテリオールの役割については、ボールに触る回数が増えて、後ろ(DF)とも前(FW)とも繋がれるので面白いと思って取り組みました。

ただ、相手がボールを持っているときはトップ下のような位置をとるんですが、チーム全体の守備において、そこのタスクが1番大きく、抑えるポイントが多過ぎて大変でした。

松さん(松田浩前監督)の時の〔4-4-2〕とは違いますし、細かい部分で違いもあります。また、自分の役割自体にも違いがあるので、難しさを感じていました」

※今季5得点に止まっている宇佐美だが、柏との開幕戦で披露したドリブルからの一撃など華麗なゴールが多い。

それでも宇佐美は敵地で迎えた柏レイソルとの開幕戦からバイタルエリアの密集地帯を繊細なボールタッチで突破し、芸塾的なゴールを挙げた。第4節の広島戦でも得意の左45度から“らしい”ゴールを記録するなど、宇佐美らしさを発揮。

チームも序盤戦は結果が伴わなかったものの、ボール支配率で相手を上回り、20本以上のシュートを放つなど、「攻撃サッカーのガンバが帰って来た」というポジティヴな印象を残す試合も多かった。

本拠地パナソニックスタジアム吹田に横浜FCを迎えた第9節はその象徴だ。28本のシュートを放ったものの、この日もゴールを挙げていた宇佐美のシュートがポストやクロスバーに合計3度も跳ね返されて1-1の引き分けに終わった。

「シーズンを戦う中でターニングポイントになった試合や場面はいくつかあって、その横浜FC戦もそうですね。今季に限ってはそういうポイントとなる試合でことごとく数字につなげられませんでした。

もちろん、もし1つでも入っていれば、1つでも勝ち切れていればと思うことはありますが、それも自分の力不足が招いた結果です」

開幕14戦1勝で最下位に沈み、宇佐美自身は4試合連続の警告を受けてキャリア初の出場停止となった敵地での第15節・アルビレックス新潟戦。5連敗中だったチームは8試合ぶりの勝利を挙げる。

その後、リーグに限っては8戦7勝1分の無敗街道を歩むチームの中で、宇佐美は先発から外れ、起用されるポジションも変化していった。