昌子源
所属クラブ:FC町田ゼルビア
選出理由:「元日本代表CBが覚悟を持って新天地へ」
神戸と同じく歴史的なリーグ優勝を飾ったFC町田ゼルビアは、J1での戦いに備えて精力的な補強を実現した。ナ・サンホ、柴戸海、仙頭啓矢、谷晃生、ドレシェヴィッチら実力者を多数獲得した中、大型補強の一番の目玉が、鹿島アントラーズから迎え入れた昌子源だ。
クラブ、代表ともに豊富な経験の持ち主である昌子だが、昨季の鹿島ではリーグ戦21試合出場もプレータイムは計644分と苦しい時期を過ごした。
リーグ戦全試合にフル出場した植田直通および飛躍的な成長を遂げた関川郁万の後塵を拝し、序列はセンターバック(以下CB)の3番手。関川のバックアップを務めつつ、リード時のクローザーとして役割を全うした。
複雑な胸中は、町田への移籍に際して鹿島公式サイトにてリリースされた「お知らせ」からも読み取れる。
自身の果たすべき役割、サポーターへ感謝の言葉を述べつつも、『ただ、自分の年齢、この先のキャリアを考えても、試合に出て勝利に貢献したい、楽しくサッカーをしたいという思いは日に日に強くなり、それが移籍の決断につながりました』と抱えていた葛藤を明かした。
新天地の町田では、加入1年目からいきなりキャプテンに就任。守備陣最年長として、豊富な経験をピッチ内外で還元する役目を担うことになる。
昨季の主戦CBだったチャン・ミンギュおよび池田樹雷人はJ1初挑戦となり、コソボ代表のドレシェヴィッチはJリーグ初参戦。実力はもちろん、実績の面からもJ1通算249試合出場を誇る背番号3にかかる期待は大きい。
また、黒田剛監督が今季も4バックと3バックを使い分ける場合においても、その経験値の高さは重宝されるはずだ。元日本代表CBがプレーと立ち振る舞いで覚悟を示し、町田の快進撃を支える。