荒木遼太郎
所属クラブ:FC東京
選出理由:「ポテンシャル抜群の天才アタッカーは復活なるか」
移籍市場の“隠れた目玉”だった天才アタッカーが、首都クラブで再起を図る。
名門・東福岡高から2020シーズンより鹿島アントラーズに加入した荒木遼太郎は、ルーキーイヤーからリーグ戦26試合に出場して2ゴールを記録し、翌2021シーズンにブレイク。リーグ戦36試合で10ゴールと高卒2年目にしてふた桁得点を決めてみせ、ベストヤングプレーヤー賞を受賞した。
しかし、更なる飛躍が期待された2022シーズンから、荒木は苦しむことになる。
2022年5月下旬に腰椎椎間板ヘルニアの治療のため離脱し、このシーズンはリーグ戦13試合出場で1ゴール。昨季も同じく13試合に出場したが、ノーゴールと不完全燃焼に終わった。
昨季終了後は移籍が噂され、6クラブ以上による争奪戦が報じられた中、FC東京への期限付き移籍を決断した。
チームを率いるピーター・クラモフスキー監督が、昨季同様に<4-2-1-3>を基本システムに据えるならば、最も得意とするトップ下で起用されるか。ウィングに配される可能性も十分あるが、相手DFを出し抜くテクニックと溢れんばかりの閃きはバイタルエリアでこそ輝く。ピッチ中央が最適解だろう。
J1に「強度時代」到来か。ヴィッセル神戸と町田ゼルビア、歴史的優勝がもたらした“転換期”。
新天地での活躍が大岩剛監督の目に留まれば、パリオリンピック(以下五輪)出場を目指すU-23日本代表に招集されるかもしれない。
パリ五輪世代のアタッカーは、斉藤光毅&三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、佐藤恵允(ブレーメン)、鈴木唯人(ブレンビーIF)ら楽しみなタレントが揃うが、4人はいずれも欧州でプレー。五輪は4月の最終予選を含め招集の強制力がないため、海外組を呼べるかは不透明だ。
現在のU-23代表では、鹿島に同期入団した松村優太が存在感を示している。スピード自慢の松村と閃き自慢の荒木が、再び同じチームで共に闘う――。仮に実現すれば、これほどエモーショナルなことはない。