攻撃はテンポよく攻められていたと感じる。前半はターゲットをウェリントンに絞ってクロスを上げ、ポープ・ウィリアムのセーブに阻まれたがヘディングで決定機を2度作った。
特に後半のゴールシーンは見事だった。中盤で受けた前が、左サイドの喜田拓也の裏のスペースへボールを出すと走り込んだ重見柾斗が中央へ折り返す。入り込んでいた紺野が冷静に流し込んで得点を奪った。
前の視野の広さと重見の動き出しのタイミングなど良い点が重なり合っていた素晴らしい得点であった。攻撃の面でも守備の面でも常に上に立っていたアビスパの完勝だった。
即ち、F・マリノスから見れば完敗だったと言える。守備でも速攻メインの相手の攻撃を止めきれず何度もチャンスを作られ、ボールの支配率は60%を超えてはいたがブロックを作られたことで後ろでボールを回すことしかできず。
特に目立ったのが攻撃時のこぼれ球への対応だ。シュートを弾いた後に詰める選手がおらず、チャンスを逃す場面が多々あった。負けている時こそこういう場面は貪欲に行くべきだった。
昨シーズンから課題であった相手にブロックを作られた時の崩しは改善が見られない。リードを奪われた後、相手がDFラインを下げて中に絞られると、サイドと後ろの選択肢しか残らない―。
F・マリノスにとって長く付きまとう課題を新監督ハリー・キューウェルがどのように修正していくのかに期待がかかる。
アビスパ福岡は次戦、9日にホームで湘南ベルマーレと、横浜F・マリノスは6日にACL準々決勝で中国の山東泰山とアウェイで対戦する。