14日、AFCチャンピオンズリーグは決勝トーナメント1回戦が行われ、横浜F・マリノスが敵地でバンコク・ユナイテッドと対戦し2-2で引き分けた。

前半18分にエウベルが先制点を奪ったF・マリノスは、6分後にも加藤蓮のクロスを渡辺皓太が詰めて追加点。しかし前半35分に1点を返されると、後半アディショナルタイムに同点弾を決められ、ハリー・キューウェル体制初陣を勝利で飾ることはできなかった。

この試合、攻撃陣は全体を通して良い活躍ができていた。ケヴィン・マスカット監督の時から変化を感じたのが、サイドにボールが出た時のボックス内の枚数だ。前半24分のシーンを取り上げてみる。

エドゥアルドからのロングボールを加藤蓮がダイレクトで中へ。この時、中にはアンデルソン・ロペスのほか、渡辺皓太とヤンマテウス、遅れながらナム・テヒの4枚が入り込んでいた。

昨シーズンまではアンデルソン・ロペスとサイドのプレイヤー1枚のみが中にいることが多かったが、この試合では他にもインサイドハーフの選手が中に入り込むシーンがたびたび見られた。

マスカット前監督が使っていた中盤を三角形型にするシステムの時より攻撃の厚みを増すために逆三角形型にし、ボランチ2枚からインサイドハーフを2枚にした効果が大いに発揮された。これがリーグ戦に活かせれば相手チームにとってかなり脅威となるだろう。

守備面では課題が多く見受けられた。その中で際立っていたのが、F・マリノスの左サイド、相手の右サイドの選手への守備対応だ。

この日のバンコクは右サイドを主体としていた。サイドバックに6番のニティポン・セラノン、ウィングに11番のルンラト・プームチャントゥエクを配置。特に脅威的だったのが11番のルンラトで、ディフェンス陣は終始対応に手こずっていた。

前半35分の失点シーンも、きっかけは右サイドだった。

ロングボールを受けた6番のニティポンが中からサイドに流れたルンラトへ。ルンラトはエウベルの背後から抜け出していたためエウベルは存在に気づかず、ルンラトがボールを受けたところで対応。

しかし、こぼれたボールが不運にもペナルティーエリア内に走り込んでいたニティポンへわたり、冷静にポープ・ウィリアムの股を抜きゴールを決めた。