[J2第30節 いわきFC 0-0 水戸ホーリーホック、9月20日、福島・ハワイアンズスタジアムいわき]
いわきは今季初のリーグ戦4連勝を逃したが、首位水戸を上回る内容でドロー決着となった。
この日中盤の底で先発出場したMF柴田壮介は相手の縦パスをことごとくカットし、カウンターの起点となる活躍を披露。
J1湘南ベルマーレから期限付き移籍で加入2季目の背番号8は、試合を重ねるごとに自信を深めている。
守備に存在感を見せる背番号8
首位チームを圧倒する内容を見せた。
試合序盤から切れ目のない激しいプレッシングと球際の強さを生かした縦に速いサッカーで、首位水戸を押し込む一方的な展開を生み出したいわきだが、シュート数13本に対して枠内シュート2本と決定機を決められなかった。
首位チームを追い詰めた立役者を挙げるとすれば柴田の名を挙げなければならない。相手の楔のパスをカットして、カウンターの起点になる攻撃、ゴールまでの危険なボールのクリアと要所でいぶし銀のプレーを見せつけた。
「バトルのところで勝てたシーンが多かった。チームとしては全体が集中力を切らさずに、チャレンジャー&カバーを90分通して徹底的にできたので、失点をしなかったことは大きな収穫だと思います。負けなかったことはポジティブな面もあります。ただチャンスもあったし、勝ちたかった思いはやっぱり強いですね」と、内容が良かっただけに白星を手にできなかった柴田は複雑な表情を浮かべていた。
それでも首位を走る水戸相手に今季4試合目のクリーンシートを達成した。第9節時点では最下位に沈んだチームは徐々に息を吹き返すように浮上。安定感のある守備を形成できるようになってきた。
「自分たちがやるべきことが整理されてきたというのもあります。強みで勝負できていることは、前半戦と比べてすごく良くなっています。あとは失点をしないことは、最低限負けないことにつながります。前半戦に比べて良くなっているかなと思います。実際に勝てる試合も増えてきています」
守備面の向上は柴田の成長によるところも大きい。正確なポジショニングで自陣の急所をふさぎ、相手のパスをカットしてカウンターの糸口をつくる。チームの心臓として今季はリーグ戦19試合に先発出場して、キャリアハイの活躍を見せている。
「試合に出続けたらどこが危ないかが、おのずと分かってきます。また自分の特徴を出しやすい守備の仕方も考えて試しながら、試合に臨めていることがすごくいい手応えがあります」と自信を深めている。
守備面に手応えを抱いている柴田は攻撃面での成長を目指している。パスの精度、ミドルシュートなど中盤に必要な攻撃オプションを身につけるため日々研さんしている。
次節は27日午後6時にホームでヴァンフォーレ甲府と対戦する。柴田は「きょうは勝てなかったので、(次は)勝つしかない。そのための準備をまた1週間やるしかないので、次は勝てるようにもう1回やりたいと思います」と意欲を燃やした。
青森山田出身!仙台大の嵯峨理久が、“先輩”松尾佑介と“親友”高橋壱晟から受けた「アドバイス」
いわきの心臓へと成長した背番号8はさらなる進化に向けてひた向きだ。好調のいわきを攻守で引っ張る活躍を披露して、さらなる高みへと導いてみせる。
(取材・文 宇田春一)
【Qolyインタビュー】リハビリ中に告げられたジェフユナイテッド千葉退団、FW佐久間太一がVONDS市原FCから目指すJFL参入「フクアリで対戦したい」