いまは完全に別物

イタリアに渡って進化した守護神

いまは完全に別物になったよね。別次元に行ったと思うよ。パルマの守備があまり良くないときに、あの距離からシュートを打たれたらきびしいという場面で止めたりしている。普段から「そういう環境に置かれているんだな」と俺は観ていますよ。あの身体を惜しみなく使うようになったんだと思ったね。だけど、ボールの弾き方とか、もうちょっと細かい技術を伸ばしたらとんでもないことになるんじゃないかと思っている。

パルマで守護神を務める鈴木(左)

いまはチームのピンチが多い分だけ止める回数も増えて、目立っていると思う。これがすごく強いチームに行ったらどうなるんだろうと思っているね。彼の仕事が限定されるわけだから、いまのハンドリングのままでは絶対だめだと思う。弾く位置とか、「そのボールをコーナーにしちゃうんだ」とか。

いまの課題を改善したらブッフォンクラスに

可能性を秘める彩艶

いまの課題を改善したら(元イタリア代表GKジャンルイージ・)ブッフォンみたいになっちゃうんじゃないかな。

長きに渡って世界屈指の守護神として活躍したブッフォン

ブッフォンだって最初のパルマ時代はみんなほとんど観ていないでしょ(笑)。俺はブッフォンがあんなに背が高い(身長192センチ)と最初は知らなかった。あの時代のゴールキーパーで猫のように動くからね。でも知れば知るほど、パルマ後のブッフォンは細かい技術を洗練していったんだなと。

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そう思うと、彩艶は今後どんなGKコーチに当たるか分からないけど、弾くところやハイボールの処理を細部まで突き詰めていったら、そこまで(ブッフォンクラス)になる可能性はあると思うよ。

(高木義成)

東京ヴェルディ1969、名古屋グランパスエイト、FC岐阜に所属、18シーズンでJリーグ通算238試合に出場した守護神。2017年に現役を引退した。 Web Football Magazine Qolyの専属評論家、オフィシャルコラムニストとしてサッカー界の疑問や問題などに切り込むQolyオリジナルコンテンツ『高木義成の高木式GK視点コラム』を連載。 現在はタイ在住で、料理人として新たな道を突き進んでいる。

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