Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。

サッカー界ならではの素晴らしい制度、連帯貢献金

2月3日、福井太智(20)のドイツ・バイエルンミュンヘンからポルトガル・アロウカへの移籍が発表された。

ポルトガルメディア『O Jogo』での報道によれば、福井の移籍に際し、アロウカからバイエルンへ100万ユーロ(約1億6,000万円)の移籍金が支払われるという。

過去、2023年にサガン鳥栖からバイエルンへ移籍した際に鳥栖へ支払われた移籍金は6,000万円と報道されたが(※この金額が育成補償金:トレーニングコンペンセーションの22万ユーロ(約3,500万円)込みの金額なのかは定かではない)、ヨーロッパで2年間実績を積み、鳥栖からバイエルン移籍時からは実に3倍近くの金額で福井はポルトガルリーグへ移籍することとなった。

その際、国内サッカーファンとして気になる点は、連帯貢献金がいくら支払われるのか、というポイントだ。

連帯貢献金は、FIFAの規約に基づく国際ルールであり、満12歳から23歳までに所属した全てのクラブに対して移籍金に応じた金額を分配するもの。福井の場合、18歳まで在籍していたサガン鳥栖に連帯貢献金が支払われる。

実際にいくら受け取るのか、金額は以下の通りである。

・サガン鳥栖(2.25%)360万円

《内訳》

2017年 サガン鳥栖U-12 12歳 0.25% 40万

2018年 サガン鳥栖U-15 13歳 0.25% 40万
2019年 サガン鳥栖U-15 14歳 0.25% 40万
2020年 サガン鳥栖U-15 15歳 0.25% 40万

2021年 サガン鳥栖 16歳 0.5% 80万
2022年 サガン鳥栖 17歳 0.5% 80万
2023年 サガン鳥栖 18歳 0.25% 40万

※福井は17歳の時点で鳥栖のトップチームとプロ契約。16歳の時点でルヴァンカップに出場。18歳6か月である2023年の1月に移籍したため18歳は0.5%ではなく0.25%での計算。半額扱いではなく、18歳の0.25%は計算外として2%で320万円の可能性あり。

アロウカ側はクラブ史上最高金額での移籍金を福井獲得のために支払っており、期待の高さがうかがえる。

また、今後のアロウカからさらなるステップアップ移籍の際に高額移籍金発生が見込めるため、鳥栖としては今後も連帯貢献金での恩恵を受けることとなる。

なお、連帯貢献金とは別の、育成補償金の金額については以下の通り(合計22万ユーロ:約3,500万円をサガン鳥栖は受け取っている)。

12歳 10,000ユーロ UEFAカテゴリーⅣ
13歳 10,000ユーロ UEFAカテゴリーⅣ
14歳 10,000ユーロ UEFAカテゴリーⅣ
15歳 10,000ユーロ UEFAカテゴリーⅣ
16歳 90,000ユーロ UEFAカテゴリーⅠ
17歳 90,000ユーロ UEFAカテゴリーⅠ

ライター名:中坊

紹介文:1993年からサッカーのスタジアム観戦を積み重ね、2024年終了時点で997試合観戦。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。日本国外の南米・ヨーロッパ・アジアへの現地観戦も行っている(本記事は一週間後、中坊コラムに転載します)。

Note:「中坊コラム」 https://note.com/tyuu_bou
Twitter:@tyuu__bou https://twitter.com/tyuu__bou


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