昨季、山根視来とともにMLSのLAギャラクシーで全米制覇を成し遂げた吉田麻也。
アメリカでもキャプテンを任された36歳のベテランは、先日、ギャラクシーとの契約を2年延長した。
LAでは先月からの大規模な山火事で大きな被害が出ており、ギャラクシーも被災者の支援を行っている。
そうしたなか、『CNN』は、「驚くべきことに11,000人のギャラクシーファンが山火事の被害を受けた。クラブの支援を紹介する」という記事を伝えていた。
昨季の全米制覇をスタンドで見つめたというバーンズさん一家は、ちょうど10年前にギャラクシーがMLS優勝を果たした際にもそれを見届けた生粋のファン。
だが、多くのサポーターたちと一緒に10年ぶりの優勝を喜んでから、わずか数週間後に生活が一変した。
LAを襲った山火事でバーンズさん一家が24年暮らしていた自宅も全焼。ペットたちはなんとか救い出せたものの、大切なギャラクシーのユニフォームなどは灰と化した。
ギャラクシーは、親会社のAEGやNHLロサンゼルス・キングスと連携して、被災者支援のために100万ドル(1.5億円)や衣料品を寄付。さらに募金活動にも協力している。
バーンズさん一家の悲劇を聞きつけたギャラクシーは、MLSの優勝トロフィーが鎮座したスタジアムに家族を招待。
チームのレジェンドであるコビー・ジョーンズからのメッセージ、チームグッズの詰め合わせがプレゼントされた。しかし、もうひとつサプライズがあったそう。
「角を曲がったら、MLS優勝カップ(トロフィー)を抱えた吉田麻也が待っていたんです。ただただ圧倒されました。彼はそこにずっと立っていましたが、優勝カップを抱えていたんです!
(吉田は)『サインしたほうがいいですか?』って感じでした。すでに彼は息子のためにユニフォームにサインしてくれたので、私のも渡すべきかなと思ったんです。
(だけど)彼は『サインしに行った方がいいです?もし、あなたたちがそうしてほしいなら、上の階に行って、いますぐサインしますよ!』って感じでした」
当時、ギャラクシーと契約満了になった吉田は、チームと新たな2年契約を結ぼうとしていたが、バーンズさんに対して、そうしたほうがいいかを尋ねていたようだ。
バーンズさんは、『私たちは『そうなれば素晴らしい、もちろんですよ!』って感じでした。圧倒されながら、車に戻りましたよ』と話している。一家はギャラクシーの開幕戦にも招待されているそう。
LAの街が大きな被害を受けるなか、2月にはMLSの新シーズンが開幕し、3月にはLAドジャースのワールドシリーズ連覇に向けたMLBの新シーズンも開幕。さらに、来年のFIFAW杯ではLAでも試合が行われ、2027年にはNFLのスーパーボウル開催、そして、2028年にはロス五輪も行われる。
バーンズさんは、住民たちが崩壊した生活を立て直そうとするなかで、大きなスポーツイベントがLAで行われることはプラスになる可能性があるとも語っていたそう。