【J2第1節モンテディオ山形1-2RB大宮アルディージャ、2月15日、NACK5スタジアム大宮】

11シーズンぶりのJ1復帰を目指す山形は昨季J3王者の大宮に1-2で惜敗し、4季ぶりに黒星スタートとなった。

1点を先制されて迎えた後半21分にFWイサカ・ゼインのスルーパスに抜け出したFWディサロ燦(あきら)シルヴァーノが左サイドからシュート性のクロスをゴール前へ供給。相手GKがなんとかはじき出したが、こぼれ球をFW土居聖真主将がいち早く反応して右足で同点弾を突き刺した。

試合が終了し、アウェイに駆けつけたサポーターへ挨拶に行く山形イレブン

このままドローで試合終了かと思われたが、ラストプレーのコーナーキックから一瞬の隙をつかれて失点。レッドブル資本のクラブとして初陣だった大宮に今季初白星を明け渡してしまった。

新主将としてのシーズン初戦

モンテディオ山形は8日、2025シーズンの主将に土居が就任したと発表した。

選手、スタッフによる投票で主将に選ばれた同選手は「みんなが決めてくれたというところで、みんなも1票に対して責任があると思います。一人、一人が責任感を持つという部分でいいチーム感になったと思います」と、投票による選出方法が、チームの一体感をより一層高めたと明かした。

この日の試合前には「開幕戦の緊張もあると思うけど、味方を信じて、自分を信じて楽しんでサッカーしよう」と、開幕戦のプレッシャーで堅くなるチームメイトを鼓舞したという。

昨季シーズン途中に山形に加入した背番号88は、入団直後からチームの攻撃を活性化させ、13位にまで低迷した山形の順位を最終的に4位まで押し上げた。

青白のユニフォームをまとって1年も経っていない土居だが、昨季の活躍とピッチ内外の立ち振る舞いがチームメイトやスタッフからの信頼を勝ち取った。

この試合でも攻撃の起点となった土居

J3を優勝して勢いに乗る大宮を止められなかった山形だが、チームの新主将は「まだまだやらなくちゃいけないこと、課題もいいところもたくさん出た試合でした」と収穫を口にした。

山形はこの試合、右ウイングにFW國分伸太郎、左ウイングにイサカが先発し、昨季の最終戦とは左右反対の配置で臨んだ。

山形の渡邉晋監督も「明確な意図があった」と話したこの左右変更に、新主将は「勝ちきれなかったですが、相手に準備していたものとちがう形を見せられたと思います」とし、「ワンパターンだけじゃなくて、個人戦術を含めていろいろな引き出しを持っていることはいいことだと思います。きょうの試合やメンバー、やり方についてはまだまだ発展途上なのかなと」と、J2優勝のためには、今後も様々なバリエーションや戦術にチャレンジして進化させていく必要があると強調した。

開幕からアウェイ3連戦の山場だがそれでも…

山形は23日午後2時に水戸ホーリーホック、来月1日午後2時にジェフユナイテッド千葉とそれぞれアウェイで対戦する。シーズン序盤からアウェイ3連戦と厳しいスケジュールだが、それでも遠方の地まで声援を送る青白のサポーターの存在は頼もしい。

アウェイの地、大宮まで駆けつけてチームを声援で後押しする山形サポーター

「(きょうの試合で)アップでピッチに入った瞬間に頼もしい声援が聞こえて、本当に自信をくれたり、一体感を作ってくださいました。きょうは残念な結果になりましたが、またアウェイまで足を運んでくれた方々に勝利を届けられるように、1週間しっかりいい準備をして頑張りたいと思います」と前を向いた。

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今季もし烈なJ1昇格争いが繰り広げられるであろうJ2。大宮との開幕戦で土居が感じた手ごたえを結果に結びつかせ、次戦こそはサポーターに勝利を届けたい。

(取材・文 Ryo、写真 浅野凜太郎)

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