いまの湘南にドミンゲスさんのような選手が必要

この日、控えメンバー入りした茨田は歯がゆい思いでピッチを見つめていた。

アウェイに乗り込んだ湘南は前半の立ち上がりから相手に支配される展開が続いた。守備時は5バックで守りを固めたが、ボールを奪ってもいい形で攻撃につなげられず、前後半を通じて放ったシュートは2本。後半5分と同47分に失点を許し、リーグ戦3連敗を喫した。

敗戦に落胆する湘南イレブン

報道陣から『何が足りないのか』と質問が飛ぶと、茨田は「レアンドロだったら…」と言葉を続けた。

「レアンドロは要求がすごく高かった。僕自身がボールを持って前を向いたときに、明らかにパスコースがなくても『お前パス出せよ』と要求していました。そこを(自分たちは)見習わないといけない。(ドミンゲスさんは)自分に自信がありましたし、パスがくれば絶対に力を発揮できるという強い意志を感じた。

きょうの試合もそうですけど、もっと自信を持ってプレーしていいと思うシーンがありました。(湘南は)もっとできるチーム、選手たちだと思うので、自分たちのできるプレーをやり続けることが大事だと思います」と力を込めた。

茨田がいうように、この日の湘南はカウンターの場面でスピードを緩め、バックパスをしてしまう場面が散見された。湘南の山口智監督も「なんだか逃げているような感じがあった」と指摘するなど、連敗によってイレブンは消極的なプレーが目立った。

チーム状況は右肩下がりだが、茨田は好転できると信じている。

卓越したキック精度と的確なポジショニングで、これまでに何度も湘南のピンチを救ってきた背番号14はドミンゲスさんのように、自信を持ったプレイヤーがチームに好影響を与えると知っている。

「自分たちのやれることをやるしかない。レアンドロはいいプレーをしていたし、周りにもすごく要求していましたが、レアンドロ自身のプレーでチームが引っ張られて、相乗効果のように全員がいいプレーをできていた。それが(柏でJ1を)優勝という形になったと思います」と一人、一人が中心選手としての自覚を持つべきだと呼びかけた。

ドミンゲスさん(右から二人目)と歓喜する茨田(背番号20)

湘南は次節、今月6日の午後3時からホームのレモンガススタジアム平塚で名古屋グランパスと対戦する。

「(ドミンゲスさんと)一緒にプレーしたことが思い出ですし、財産です。これからも忘れることはありません」と、言葉に力を込めた33歳のベテランは見本とした男の振る舞いを結果につなげる覚悟だ。

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「チームとしてもっと上に行きたい」と覚悟を口にした茨田が湘南の“兄やん”として、公式戦7試合ぶりの勝利をつかみ取ってみせる。

(取材・文 浅野凜太郎)

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