ドイツの4部リーグを戦っていたKFCユールディンゲンが破産宣告を受け、選手全員が解雇される事態となった。
KFCユールディンゲンは1905年に設立されたクラブで、1953年からはレヴァークーゼンと同じくバイエル製薬の支援を受けていたことで知られる。近年ではケヴィン・グロスクロイツが現役生活の最後を過ごしたことで話題を集めたことも。
1985年にはDFBポカールでバイエルン・ミュンヘンを撃破して優勝を果たしており、次年度にはUEFAカップウィナーズカップで準決勝まで進出している。
しかしながら1990年代にバイエル製薬のスポンサーシップが終了し、慢性的な財政問題もあって成績は低迷。2021年には財政破綻によって降格処分を受けている。
今季は4部にあたるレギオナルリーガ・ヴェストで戦っていたが、火曜日に当局から破産宣告を受け、管財人よりサッカー活動の即時停止を言い渡されたとのこと。
『The SUN』によれば、シーズンが終了に近づいていたこともあって選手は無給でのプレーを申し出ていたが、ドイツでは「一度リーグからの撤退を表明したあとの撤回は認められない」という規則があり、試合を行うことはすでに不可能だったそう。
選手は即座に全員が解雇されることになり、職業安定所において関連する給付金を申請するよう勧められているという。
クラブがリーグを撤退した場合、これまでKFCユールディンゲンが行った試合の結果はすべて無効となり、そのためMSVデュイスブルクの昇格が決定したとのこと。
なお、同じレギオナルリーガ・ヴェストでは1.FCデューレンというクラブもすでに破産の手続きが始まっており、選手にはまだ今年に入って給料が一度も支払われていないという。
ドイツでは今季、シーズン途中でテュルクスポル・ドルトムントが撤退しており、KFCユールディンゲンが2つ目の破産クラブとなった。
『WDR』の記事「投資家の遊び道具としての地域サッカー」によれば、ドイツのアマチュアリーグ(とは言っても選手は必ずしも無給ではない)では投資家やスポンサーによって力をつけるクラブは少なくないが、育成やインフラ、ビジネスの展開にまで手が回らないことが多いという。
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ブンデスリーガとは違い、3部以下では投資家に特別なルールは設定されていないため、持続可能性の低い投資が行われてしまうケースが頻繁に見られるそうだ。