相手選手の首を蹴って四肢麻痺にするという事件を起こした選手に対し、スペイン最高裁判所が懲役6年の判決を言い渡したとのこと。
この事件は2014年4月26日、バダロナで行われたシニア世代のベテランズリーグで発生したもの。ECUAカレージャとジョレダというチームが対戦していた時であった。
被告はまず被害者のラウール・サンチェスを蹴り上げ、レッドカードを提示された。それを見た後、さらに被告は他の選手を侮辱し、『殺す』と脅迫したとのこと。
それによって試合は中断され、被告は一度ピッチから離れたものの、しばらくしてフィールドに戻ってきて突然被害者の首を後方から蹴り上げたという。
2回のキックを受けたラウール・サンチェスは椎間板ヘルニアと脊髄損傷の大ケガを負い、四肢麻痺となった車椅子での生活を余儀なくされた。
長らくこの事件についての裁判が行われてきたが、最高裁判所はバルセロナ地方裁判所やベテランズサッカー協会の判断を支持し、被告に有罪判決を言い渡した。
また、被害者側の控訴を認め、賠償金の額を以前の設定よりも増加させ、76万8777ユーロ(およそ1億2000万円)に変更したとのことだ。
この事件はスペインでスポーツにおける暴力事件に関しての議論を巻き起こし、被害者のラウール・サンチェスはドキュメンタリー「26 de abril- Play Again」に出演するなど啓発活動を行ってきたことで知られる。
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今回スペイン最高裁判所はこの事件について「試合中の故意でないもの」ではなく「障害を意図した暴行」と判断し、このような事件を防止できなかった主催者にも「スポーツイベントにおける暴力行為の防止策が抜け落ちていた」として改善命令を行っているとのこと。