[関東大学サッカーリーグ1部第10節、東洋大学 1-1 明治大学、31日、埼玉・東洋大朝霞キャンパス・サッカー場]

リーグ戦9位の東洋大は3位の明治大と対戦して1-1で引き分け、順位を8位に上げた。

この日、最前線で先発出場したFW髙橋輝(ひかる、3年、大宮アルディージャU18)は、前半に先制弾を挙げる活躍を見せた。その後は明治大の堅い守備を東洋大は攻略できず、試合終了間際に同点ゴールを許して白星を逃した。

それでもエースストライカーは、今回の結果を糧にさらなる成長を誓った。

得点を喜ぶ髙橋輝(写真中央、右から2番目)

試合中断のアクシデントも「試合の整理もできた」

雨と強風が吹き荒れる中で始まり、東洋大は前半開始早々から髙橋輝の走力を生かす縦に速い戦い方でゴールに迫った。

前半19分に、右サイドでボールを受けたMF相澤亮太主将(4年、大宮アルディージャU18)が、ドリブルで深い位置まで切り込んで中央に低めのクロスを供給。ニアサイドで相手GKとDFが重なり、ボールは背番号14の元へ。ワントラップして倒れながら右足でボールを押し込むと、ゴールにゆっくりと吸い込まれた。

髙橋輝は「相澤選手が右サイドを打開してクロスを上げてくれました。相手のディフレクションがあって、自分のところにこぼれてきて、うまくファーストタッチを置くことができました。ちょっと当たり損ねたんですけど、気持ちで押し込みました」と大宮アカデミーコンビで奪った得点シーンを振り返った。

髙橋輝の得点シーン(右から2番目)

その後も髙橋輝を中心にした攻撃でチャンスをつくる東洋大だったが、前半22分に天候によるアクシデントが発生。雨足が激しくなり、会場近くで落雷が発生した。

すぐに主審の指示で試合が中断され、グラウンド横のコミュニティセンターに選手全員が避難した。

東洋大の勢いに水を差すアクシデントに、不安を覚える選手も少なくない。それでも先制点を挙げたストライカーはむしろこの試合中断をポジティブに捉えた。

「個人的にはそんなに影響を感じていなくて、中断した時間で、みんなで話し合って、試合の整理もできた。再開した後も、みんなが集中してゲームに入れていたと思います。

(井上卓也監督からは)『メンタル的な部分をもう一回スイッチを入れるぞ』とか、攻撃のところでどう打開するか、どこにボールを持っていくか(について指示を受けた)。

試合中によく、『出口、出口』という声かけがあったと思うんですけど、(相手の)サイドのスペースが空いているという情報があったので、どこにボールを持っていくかを(監督に)言われました」

ドリブルえボールを運ぶ髙橋輝(写真手前、右から2番目)

試合は約1時間半の中断を経て再開された。

東洋大は後半、1点を追いかける明治大の猛攻を受け、全員で体を張ってなんとか守り続けるも、後半45分にフリーキックから失点して力尽きた。

試合終了の笛が鳴ると、雨が降りしきるピッチに両チームのイレブンが倒れこんだ。