[天皇杯3回戦、J2モンテディオ山形 4(4PK3)4 J1ガンバ大阪、7月16日、NDソフトスタジアム山形]

山形はPK戦の末にG大阪を下して4回戦に駒を進めた。

2014年度大会決勝カードとなった対決は、計8得点を奪い合う激戦に。MF氣田亮真が前半20分、同30分に2得点を追加して先行するも、後半28分までに3失点を許した。

それでも同33分にFW高橋潤哉が同点弾を叩き込んで延長戦に突入。

延長後半11分にMF吉尾海夏(かいな)が値千金の4得点目を決めるも、同17分に追いつかれてPK戦へ。PK戦は山形のキッカー4人が成功し、死闘を制した。

この日山形での公式戦初得点を決めた吉尾は、さらなる飛躍を誓った。

値千金の山形初弾

3-3の拮抗した中、鋭い弾道でゴールを揺らした。

延長後半11分にゴール前でこぼれ球を左足一閃(いっせん)、チーム4得点目のゴールを叩き込んだ。

4得点目を決めた吉尾(右はじ)

「こぼれ球が飛んできたので、コントロールして、思ったより自分の前にスペースがあって時間もあった。ワンタッチしたところでゴールまでの道筋が見えたので、力を抜いて蹴り込めて良かったです」と振り返った。

今季からJ1横浜F・マリノスから山形に完全移籍してから公式戦で得点を奪えていなかった。この日ゴールを挙げると「体が勝手に動いたという感じです。無我夢中で行きました」とゴール裏へ駆け寄り、喜びを爆発させた。

吉尾は「ここまでなかなかチームの力になれず、外から見ている時間が多くて…。自分自身もすごく苦しい時間を過ごした中で、きょうのゴールはお待たせしましたというか、ほっとしたというのがある。ここからもっと(得点を)取っていきたいと思いました」と白い歯をこぼした。

PK戦では3番手を務め、ゴールネットを揺らして勝利に大きく貢献した。同杯4回戦の相手はJ1浦和レッズと難敵が続く。

「一発勝負でカテゴリーも上の相手でしたけど、自分たちの力を証明できたと思います。まだ戦いは続くので、優勝してみんなで喜びたいと思います」と力強かった。

FWディサロ燦シルヴァーノ(右)と激しく喜びを分かち合った吉尾

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腫れ物が落ちたように明るい表情を浮かべた山形の背番号20。今後もゴールを重ねて山形を頂へと導く。

(取材・文・撮影 高橋アオ)

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