イブラヒモヴィッチ |
49' |
得点者
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前節イヴラヒモヴィッチの挙げた虎の子の1点を守りきれなかったミランがホームにジェノアを迎えた1戦。今夏は両クラブ間で多くの移籍が行われた事もあり試合前から話題も多かった。ミランのアッレグリ監督はロビーニョを初めて先発で起用。また、CLに向けてターンオーバーを明言していたが、セードルフを休ませピルロが先発した。
試合は序盤から激しい展開となる。ポゼッションで主導権を握ろうとするミランだが、ジェノアの激しいプレッシャーが許さず、ジェノアが主導権を握る事となる。ミランのフリーランニングが前節同様に少ない為、ジェノアの守備網に引っかかった格好である。しかし、20分を過ぎるとジェノアの運動量も減り、次第にイーブンの展開となったが、前半は得点が動かなかった。
試合は後半開始直後に動く。49分、カウンターでピルロのロングパスに反応したイヴラヒモヴィッチがダイネッリとラノッキアに挟まれながら右足を伸ばしてシュート。ループ気味のシュートはGKエドゥアルドの手をかすめてネットに吸い込まれた。先制されたジェノアはチコを下げてスクッリを左のアタッカーとして投入。クリッシトが最終ラインに入り、メストは右のWBへ。ラフィーニャは左のWBへ回った。明確な攻撃姿勢を示したガスペリーニだが、前節痛い同点弾を喫したミランは引き締まった守備を見せる。トーニへのロングボールも、サイドアタックも必至に食らいつく事でジェノアに傾きかけた流れを食い止める。また、ロナウジーニョに変えてセードルフを投入し、システムを4-3-1-2にした事でミランは安定感を取り戻す。終盤はやや間延びした展開となったが、ロビーニョのドリブル突破などミランのカウンターの脅威にさらされ続け、ジェノアはチャンスらしいチャンスを作る事なく試合は終了した。
前半はジェノアに好印象を持つ展開であった。3-4-3を基本としながらも、3バックとWB2枚は攻撃でも守備でも流動的な動きを見せる。チコ、ラノッキア、ダイネッリが攻守でアタックを仕掛ける場面では、クリッシト、ラフィーニャがラインに下がってフォローするなど、ワールドカップで多くのチームが見せた攻守に連動性のあるサッカーを展開した。しかし、バイタルエリアの活用や最終局面でのアイディアが乏しかったことは否めない。また、右のパラシオからの攻撃に偏った事で、ミランの弱点であるアバーテの守備を突く事ができなかった。ガスペリーニがスクッリが左のアタッカーとして投入した事は証明しているだろう。
ミランは前節同様にフリーランニングの少ないサッカーであったが、前半戦にガットゥーゾ、ボアテンクら奮闘した事で、後半の得点や1-0での勝利に結びつけたと言って過言ではないだろう。ミランレベルのチームの出来としては非常に低いと言わざるを得ないが、過密日程やチームの成熟度を上げている段階としては致し方ないと考える事もできる。しかし、インテルを追い、CL制覇も目論むのであれば、下位チームを押し切れるだけの力が不可欠であろう。評価できるのはイヴラヒモヴィッチの挙げた虎の子の1点を「今節は」守りきった事くらいであろうか。CLのアヤックス戦でも同様なサイドアタックの脅威にさらされる事は明白であり、不安の残る試合内容であった。
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