2010年11月13日(土) - 国立競技場(東京)
Seongnam Ilhwa Chunma
3
1-0
2-1
1
Zob-Ahan
オグネノフスキ
チョン・ビョングク
キム・チョロ
29'
53'
87'
得点者
67'


ハラトバリ




韓国の城南一和とイランのゾブ・アハンという、東勢と西勢の対戦となったアジア・チャンピオンズリーグの決勝戦が国立競技場にて行われた。結果は城南が豊富な運動量と鋭いカウンターで3得点をあげ、内容でもほぼ完勝。来月行われるクラブ・ワールドカップへの出場権を手に入れた。

城南はエースのラドンチッチが出場停止ということもあってか、ほぼ完全に相手と人数を合わせたリアクションサッカーを徹底。相手の強みである3トップの機動力と中盤からの攻撃参加を抑えるため、4バックはほぼ守備に集中して撹乱されることを防ぎ、3枚のセンターハーフで中央のマークを固めた。城南は普段は4-2-3-1を使っており、この形は確実に戦略的なものだ。

序盤はワントップにロングボールを入れる形が失敗。ラドンチッチほどのキープ力や高さがないソン・ドンゴンは柱になりきれなかったが、その分守備に頑張りを見せた。そして20分あたりからは相手の弱点であるサイドバックの周辺を徹底的に突き、左に位置取るモリナを積極的に生かした。

そして29分にはロングスローからチョ・ビョングクがヘッド、落とされたボールを拾ったソン・ドンゴンが粘ってキープし、それにオグネノフスキが詰めてゴールに押しこみ先制。後半に入ってすぐの52分にも、カウンターからモリナが持ち上がりシュートを放ちコーナーキックを獲得。モリナが入れた速いボールをチョ・ビョングクがダイビングヘッドでゴールに決め、リードを広げた。

その後一点を返されたが、終盤に再び得点を追加。起点はまたもモリナ。左サイドでキープして時間を作ると、パス交換から中に切れ込みシュート。ディフェンスに当たって裏にこぼれ、そこにキム・チョロが詰めておりシュートを決めた。終盤は運動量を生かして衰えないプレッシングを見せ、反撃をシャットアウト。15年ぶりのアジア王者に輝いた。

ゾブ・アハンは試合の入り方と運動量で劣ったのが響き、結局最後まで試合のペースを掴めなかった。普段は積極的に前線に顔を出すハダディファル、ラジャブザデー、両サイドバックが消極的で、攻撃の厚みを欠いた。前線と最終ラインが分断され、押し込みもできず、サイドバック周辺の守りを固めることも出来ず。相手の狙った守備、攻撃の両方を機能させてしまった。

後半に入ってからはかなり積極性を高め、攻撃にかかる人数は多くなり、67分にイゴールの飛び出しからこぼれ球をハラトバリがヘディングでゴールに押しこみ一点を返すことに成功する。しかし今度は運動量の減少から、守備にかかる人数が乏しくなると同時に布陣がルーズになり、カウンターに対して致命的なほど脆弱だった。しかも相手の方は運動量が衰えず攻守に人数が掛かってくるため、数的に不利な状態が頻発。攻守のバランスを失い、圧倒的に押し込まなければならない最終盤に力を発揮できなかった。

イランのチームをある意味「舐めて掛かってきた」アル・ヒラルには力を発揮できたが、自分たちのやり方を完全に読まれてしまった場合の対応力にも問題があったといえるだろう。

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