Valenciennes
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1
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0-0
1-2 |
2
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Paris Saint-Germain
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アブバカル |
82' |
得点者
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47' 84' |
ネネー ネネー |
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今季好調を続けているPSGが勝負強さを見せた。後半にペースを失い追いつかれたものの、すぐさま得点を奪い返し勝利を収めた。
特に試合の立ち上がりは非常に良かった。戦術はヴァランシエンヌ破りのオーソドックスな手法であった。ボールを奪ったら素早く最終ラインの前に出来るスペースに縦パスを入れ、素早く連携を作りシュートまで持ち込む。アンカーのゴミスを主にボドメルが囮となって引きつけ、他の選手が絞って受けることがポイント。
ヴァランシエンヌはフィリップ・モンタニエ監督のもと、4-1-4-1のポジションを非常に大事にしたサッカーを行う。基本的に横方向に動く選手はアンカーとワントップの2人だけ。他はその2人とトライアングルを必ず作るように距離感を保ち縦方向に動く。非常に組織的なポジショニングをするチームである。そしてその弱点としては、「中盤が戻りきれていない状態で仕掛けられた時、アンカーの横にスペースが生まれる」こと。リーグ・アンにおいてヴァランシエンヌと戦うときに、多くの監督がこれを考慮して戦っている。逆にモンタニエ監督は、この点をいかにカバーしつつ戦うかを常に探っている。 そして、この試合の序盤はPSGの攻撃のスピードが勝った格好だった。
PSGはなかなかチャンスを生かせず、徐々に相手が対応してきたことで一方的な優勢ではなくなってしまったが、後半開始直後にミスを利用してすかさず先制点を奪った。47分、素早い前線での繋ぎからボドメルが送った縦パスを、ゴミスがカットしようとして失敗。上手くポストになったオアローからのパスを、左から飛び出したネネーが受けてシュート。ゴールに決めた。
82分には1点を返され追いつかれたが、その僅か2分後に追加点を奪取。ゴミスのクリアがセセニョンに当たってルーズになったところをネネーが拾い、右サイドから華麗なロングシュートを突き刺した。これが決勝点となった。
先制後は守る意識の増大から攻撃のスピード、かかる人数が減少。試合を優位に進められていた鍵であった攻撃の強みを生かせなくなり、一旦は一方的に押される展開になった。しかしセセニョンとエルディングが63分にピッチに入ってきたことで改善。セセニョンがボールを引き出し起点となり、カウンターを仕掛けるという「流れ」が生まれたのが大きかった。失点はもちろんその後にやられたものだったが、この「流れ」の改善が決勝点に繋がったといえる。
ヴァランシエンヌも決して悪い試合ではなかった。最初こそ相当にやられたものの、その後高い位置からのプレスでパスの出し手を潰し、最終ラインを上げることで対処しペースを戻し、押されっぱなしの展開は防いだ。82分には「韓国のメッシ」ことナム・デヒのアシストから、カメルーン代表の若手ヴァンサン・アブバカルが鮮やかな反転シュートを決めるという、未来を感じさせるゴールもあげた。しかし、PSGの勝負強さに遅れをとった格好だった。