2010年12月15日(水) - ブキット・ジャリル・スタジアム(クアラルンプール/マレーシア)
Malaysia
2
0-0
2-0
0
Viet Nam
サフィ
サフィ
62'
80'
得点者






東南アジアの6カ国と、予選を勝ち抜いた2カ国によって争われるAFFスズキカップは、グループリーグが終了し準決勝を迎えた。ここからは勝ち残った国同士のホーム&アウェイ戦となり、2試合の合計スコアによって勝者が決まるレギュレーションとなる。

15日に先んじて行われた試合は、本拠地で戦ったマレーシアが前回王者のベトナムに2-0と驚きの結果で先勝を果たし、決勝進出の可能性を大きく残した。

マレーシアは開始直後こそ押し込んだものの、徐々にベトナムに押し込まれる流れとなった。しかし、中央を固めた守備が上手く相手の攻撃を弾くように機能し、2トップの片方が必ずサイドに開いて受けて起点となる反撃の形が前線に高い確率でボールを入れられる効果を生み出した。

ベトナムは3トップの両ウイングが常に前線に残りがちなため、サイドバックの周辺にスペースが空きがち。自陣に引かなければならない状態が長かったため攻撃の回数自体は少なかったものの、的確に前線を活かすことができたといえる。

そして61分、右サイドで奪ったセットプレーから先制を果たす。サフィクの蹴った鋭いボールを、ニアに飛び込んだサフィが合わせて強烈なヘディングシュートを放つ。するとこれをベトナムのGK、ブイ・タン・トルォンが右後方に弾くミスを犯し、ゴールの中に吸い込まれていった。

さらにベトナムの反撃に耐え忍ぶなか、80分にカウンターから貴重な追加点も奪取する。相手の中盤のパスミスを奪って反撃。一旦クリアされたところをアミルラディが再び拾って中央にパス。それをサフィクがミドルシュートに持ち込むと、再びブイ・タン・トルォンがファンブル。こぼれ球をサフィが押しこみ、試合を決めた。

力量に勝るはずのベトナムは「相手を舐めていた」。自分たちの強みと相手の弱みを直視せず、やりたい事だけをやっていた傲慢なサッカーだった。

テクニックに勝るためボールを徹底してワイドに繋ぎ、序盤にやや積極的に来た相手を押し込むところまでは悪くはなかった。また、相手の2トップが前に残るため、3センターの誰かがフリーになり、ミドルシュートを打ちやすく、セカンドボールを拾いやすい状況でもあった。

しかし、わざわざ中を固めた相手に対して、徹底的にウイングはカットインかグラウンダークロスを選択。サイドにわざわざ開いてボールを動かしながらフィニッシュの時は必ず中の厳しいところに送りたがった。中央には高さのあるンエン・アィン・ドゥクがいるものの、彼の良さを生かすようなハイボールやクロスは一切と言っていいほど出なかった。またピッチの芝が劣悪で、得意のショートパスも時折信じられない動きをする状態。

その結果、強引なミドルとドリブル突破が徹底的に青い壁に跳ね返され続け、押し込みながらも危険なパスミスも多かった。そして、弱点であるサイドバックの周辺でボールを収められカウンターを受けた。 結局70分を超えてンエン・ヴェト・クォンを投入し、高さがある2トップに変更してようやくクロスやハイボールを生かすようになったが、終盤に失点を重ねてしまった上、既に守りを固めた相手に対して攻めきるには時間が少なかった。


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