2011年1月29日(土) -ツꀀアンジェロ・マッシミーノ
Catania
0
0-0
0-2
2
Milan


得点者
58'
85'
ロビーニョ
イブラヒモヴィッチ

catania-milan

シメオネ体制2試合目となったカターニアがホームに首位のミランを迎えた1戦。日本代表の森本は2試合続けてベンチからのスタートとなった。ミランは移籍してきたファン・ボメルがリーグ戦初先発。アンカーのポジションに入り、左サイドにはメルケルが入った。

試合は序盤から一進一退の攻防となるも両チーム共にバイタルエリア付近でのプレーに精度を欠き、決定的なチャンスを得る事ができない。カターニアはアレハンドロ・ゴメスが小気味の良いドリブルでミランの左サイドを崩すも、ミランのDF陣は冷静に対応した。

前半を0-0で終え、ミランのアッレグリ監督が動く。攻守で足を引っ張っていたメルケルを外して後半開始からエマヌエルソンを投入。攻撃の立て直しを図るも、54分にファン・ボメルが2枚目のイエローカードで退場に。10人での戦いとなり苦しくなる。カターニアは数的有利を活かし、攻撃へと転じるが先制点を奪ったのはミランだった。ゴール前中距離で得たFKをイブラヒモヴィッチがパワーショット。弾いた所にロビーニョが詰めて先制に成功する。ミランは直後にカッサーノを下げて、オッドを投入。ボネーラがCBに入り、前節同様チアゴ・シウバをボランチに据えた4-4-1で守備ブロックを再形成する。

先制されたカターニアはアウグスティンを下げてリッキーウティを投入。3-5-2へとシステムを変え、ミランを徐々に押し込んでいく。75分にはミランのアンブロジーニが負傷退場。ヤンクロフスキをボランチで投入する緊急事態に陥るが、DFラインは集中力の高さを見せ、絶妙のラインコントロールで幾度もオフサイドを奪うなど、マクシ・ロペスを無効化した。ミランは85分に追加点を奪う事に成功する。チアゴ・シウバ、ロビーニョとつなぎ、イブラヒモヴィッチがゲット。前がかりとなったカターニアの守備陣、そして3バックの連携ミスを突いたゴールであった。森本は切り札として3枚目に投入されるも、2度のチャンスで決める事ができなかった。

終わってみればミランの勝利。試合全体としては数的有利を活かしたカターニアの試合ではあったが、「ミランが狡猾に勝ち点3を奪った試合」、「ミランが強さを見せた試合」などと形容することができるだろう。特にアッレグリ監督の退場、負傷者と緊急事態の中でのチームマネジメントは秀逸であった。チアゴ・シウバのボランチ起用は、リーグ戦、チャンピオンズリーグ、コッパ・イタリアで勝ち残るチームにとって大きなオプションであることを改めて証明。離脱している負傷者の復帰と共にチームはさらなる上昇気流に乗るかも知れない。気がかりといえば、イブラヒモヴィッチであろう。殆ど倒される事がない選手だが、試合中幾度となくバランスを崩した上、シュートは不正確であり、前線で起点となれないシーンも目立った。絶対エースのコンディション調整が今後のチームの鍵となるのではなかろうか。なお、退場したファン・ボメルだが、2枚目のイエローでイタリアのジャッジを学んだ格好であり、特筆すべきものではない。プレーとしては可もなく不可もなく、アンカーとしてチームにフィットすれば、ピルロの左インサイドハーフ起用などオプションが増えるだけに、今後も継続して起用されると思われる。

連敗で残留争い真っ只中のカターニアだが、シメオネ監督の目指すサッカーが間違っていない事は前半戦のプレーで証明できたと思われる。ホームとはいえ、ミランと充分に渡り合えた事は今後の自信に繋がるはずだ。「数的有利になる」というアクシデントを活かそうとした矢先の失点は、数的有利となった事での気のゆるみと捉える事ができ、ゲームプラン自体は問題がなかった。得点力が無い事が悩みの種だが、マクシ・ロペス、アレハンドロ・ゴメス、ジュゼッペ・マスカーラのトリオの実力は高く、森本がジョーカーとして同点弾、逆転弾を奪える存在として覚醒すれば、自ずと得点も増えるのではなかろうか。

(筆:Qoly編集部 N)


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