2011年2月19日(土) - スタッド・ヴェロドローム(マルセイユ)
Marseille
2
0-0
2-1
1
Saint-Etienne
ルチョ・ゴンサレス
レミ
68'
78'
得点者
90+5'

ランドラン




スコアは最小得点差であったが、内容ではそれ以上の差を見せてマルセイユがサンテティエンヌを一蹴。2連覇に向けて首位リールに肉薄する勝ち点3を奪取した。

試合開始からしばらくは多少相手の戦術を機能させた時間帯もあったものの、徐々にペースを掴んだ。その鍵となったのは、前線からのプレッシャーと、ルチョ・ゴンサレスの動きである。

サンテティエンヌの戦術は以下のようなものだった。攻撃では右のサコーがサイドに張り、タイウォの上がりを牽制しつつ裏を狙う。左のパイェットは中に絞って縦パスを受け、チャンスメイクする。守備ではマトゥイディとペランのどちらかが必ずルチョ・ゴンサレスにマンマークで付き、片方はカバーに回るというもの。

マルセイユは高い位置からプレッシャーをかけることで、パイェットに展開されることを防ぐとともに、相手を自陣に釘付けにした。さらにルチョ・ゴンサレスは、マークを引きつけてサイドに広く動き、ボールはタッチ数少なく捌いていった。そして、創出されるスペースにジニャックが積極的に入り込む。

前半は押しながらも得点を奪うことは出来なかったが、上記の戦術が機能したことで、後半は相手が「ルチョだけに引きずられると危険だ」とマークを緩くした。それによってさらにボールが回るようになり、攻勢を強めることに成功。

そして68分に交代出場のA・アユーからのクロスをジニャックが落とし、フリーのルチョ・ゴンサレスがゴールに決めて先制点を奪取。さらに78分にもコーナーキックから、これまた交代出場のJ・アユーのシュート性のボールをレミがゴールに押しこんだ。ロスタイムに1点を返されたものの、磐石の試合運びを見せた。

ただしマルセイユにとっては75分にジニャックが、さらに終了間際にはレミまでも負傷で交代を余儀なくされてしまい、勝利の代償は大きかった。

敗北したサンテティエンヌは、「パイェットを使うことに固執した」ことが、戦術の柔軟性を失わせてしまったといえる。プレスを受けた際に長いボールで攻める選択肢がなく、全く相手のラインを下げることが出来ず。後半も結局パイェットとサコーの位置を入れ替えただけで攻撃に大きな改善はなされず、守備はむしろルチョ・ゴンサレスのマークを緩くしたことで弱体化していた。戦術面でのチーム力の差を見せつけられた内容だった。

(筆:Qoly編集部 K)


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